米国で育てた医療向け無線事業を逆輸入するサイレックス:ビジネスニュース 企業動向(2/2 ページ)
サイレックス・テクノロジーは、米国市場で実績を積んできた医療機器向け無線事業の国内展開を強化する方針。医療市場のニーズに対応した新たな組み込み無線モジュールなどを投入し、医療機器向けビジネス規模の倍増を狙う。
そして三浦氏は、「医療機器分野でも、これまでのボックス製品中心のビジネスから、より技術的に高度な組み込みモジュール製品中心へのビジネスに変わろうという段階を迎えている」と一層のビジネスの飛躍が見込める状況にあるという。
医療機器市場に向けた新製品
そこでサイレックスでは、より医療機器、産業機器市場のニーズを意識した組み込みモジュール製品の開発を実施。これまで、SDIOインタフェース品のみだった組み込みモジュールにUART/SPIインタフェースに対応したより消費電力の低い新製品「SX-ULPAN」を発売した。「手術室で使用する装置は、ケーブルでつまずくなどの危険性から無線化のニーズが高まっている。現状、ケーブルで通信しているのは、UART/SPIといった汎用インタフェースを使った制御信号のケースが多く、新製品はそれらを無線化できる製品」と新製品の狙いを説明する。
新技術、新規格に対応
新製品投入と同時に、より医療分野特有のニーズに対応するための技術開発も積極的に行う。その1つが暗号・セキュリティ関連分野における米国FIPS認証の取得だ。FIPSは米国政府機関への製品納入するための技術要件を定めた標準規格であり、「米国の医療機関では、無線機器ベンダーに暗号・セキュリティ関連分野でのFIPS認証取得を義務化させる動きが強まっており、取得を急いでいる」という。
また無線LAN関連の最新技術対応も順次進めている。最新規格IEEE802.11ac対応の無線LANモジュール「SX-PCEAC」(2014年春発売予定)など、大容量データ通信対応製品の開発も継続する他、高速ローミングを規定したIEEE802.11rなどの規格にもいち早く対応し、常に最新の無線LAN技術の提供を徹底し、「カスタム要求がほとんど」という医療機器市場であらゆる要望に応えてシェアをさらに高める方針だ。
日本でも「トップベンダー」
「2014年度からは、最もワイヤレス化が進展している米国市場に続き、日本国内市場でも無線化が本格的に進んでいく見込みだ。米国での実績を背景に、日本の医療機器向けでも、トップベンダーの地位を獲得したい。現状のデザインウィン状況から見ても近い将来に医療向け事業規模を2倍以上に広げられるだろう」(三浦氏)と日本での医療機器向けビジネスの本格立ち上がりに期待を寄せている。
なお、サイレックスは2014年4月9〜11日の3日間、東京ビッグサイトで開催される医療機器設計/製造の総合展示会「MEDTEC Japan 2014」に出展し、新製品のSX-ULPANなどを交えて、医療機器向けソリューションを紹介する予定だ。
MEDTEC Japan 2014
会期 | 2014年4月9日(水)〜11日(金) |
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時間 | 10:00〜17:00 |
会場 | 東京ビッグサイト |
サイレックス・テクノロジー・ブースNo. | 908 |
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