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TSMCは2014年Q2も好調、売上高は前四半期比22%増の59億ドル超にけん引役はハイエンドスマホ

2014年第1四半期、好調なスタートを切ったTSMC。その勢いは第2四半期も衰えないようだ。同四半期の売上高は、前四半期に比べて20%以上増加するという。成長の要因となっているのはスマートフォンだ。特にハイエンド向けスマートフォンで、TSMCが製造したチップに対する需要が強いという。

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 TSMC(Taiwan Semiconductor Manufacturing Corporation)は、2014年第2四半期に記録的な売上高を計上する見込みだ。ハイエンドのスマートフォン市場に製品を供給する顧客企業向けにTSMCが製造するチップの需要が急激に高まっているためである。

 TSMCのCFOであるLora Ho氏によると、同社の2014年第2四半期の売上高は前四半期から22%増加し、59億6000万〜60億6000万米ドルに達する他、売上総利益は47.5〜49.5%、営業利益率は36.5〜38.5%、それぞれ前四半期から上昇するという。また、同社の経営陣は、「2014年1月中ごろから全ての事業区分で発注が好調だ」と述べた。

 共同CEOのMark Liu氏は、TSMCの2014年第1四半期の決算結果を討議するために2014年4月17日に開いたアナリストとのカンファレンスコールの中で、「LTEインフラ構築の加速、LTE対応スマートフォンの急速な普及、スマートフォンの半導体の増加という3つの観点から、当社は需要の見通しを改善した。スマートフォン部門は前四半期に予測したよりも好調だ」と述べた。

 2014年のTSMCは好スタートを切った。同年第1四半期の売上高は49億2000万米ドル。前年同期比で11.6%増、2013年第4四半期比で1.7%増となる数値だ。純利益は、前年同期比で21%増、前四半期比で6.1%増となる15億9000万米ドルだった。Ho氏は、2014年第1四半期の業績が当初の予定を上回った要因として、主要な顧客先である半導体企業の多くで在庫が補充されたことを挙げた。

 2014年第1四半期における通信向けの収益は2013年第4四半期から8%増加した他、コンピュータ向けと産業向けでもそれぞれ2%ずつ増加した。一方で、コンシューマ向けでは14%減少した。

 Ho氏は「当社は、性能の向上、生産量の増加、技術の信頼性といった強みにより、顧客企業の上限の需要のさらに大きな市場シェアを獲得することができた」と述べた。

 Liu氏は、「TSMCは世界最大のファウンドリとして、ハイエンドのスマートフォン向けに設計されたチップの多くを製造している」と述べた。例えば、64ビットのアプリケーションプロセッサ、マルチモード対応のベースバンドプロセッサ、マルチバンドレシーバ、イメージセンサー、MEMS、近距離通信(NFC:Near Field Communication)チップ、指紋センサーなどが含まれるという。

 加えて、Liu氏によれば、ハイエンドスマートフォン1台に搭載される半導体の合計は、2013年の10.8米ドルから2014年には13.9米ドルに上昇するという。一方、ミッドレンジとローエンドのスマートフォンは、それぞれ6米ドルと3.6米ドルを維持するという。

 米国の市場調査会社であるIC Insightsは、2014年のファウンドリ専門企業の売上高総計が、前年比14%増の412億米ドルに達すると予測している。そして、Liu氏は、TSMCの2014年の売上高は、ファウンドリ業界全体の売上成長率予測を数%上回る形で上昇すると見込んでいる。

【翻訳:青山麻由子、編集:EE Times Japan】

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