「特許から製品へ」を目指すラムバスが注力するのは3つの機能:ビジネスニュース 企業動向(2/2 ページ)
ラムバスは、IoT(Internet of Things)時代に対応する事業戦略として、「特許から製品へ」の移行に取り組む。これまで注力してきた製品ごとの戦略から、「取得」、「保護」、「転送」の機能を実現するための製品やサービスの提供に注力していく。
「取得」では画期的なセンサーを提案
「取得」に対して同社は、演算処理技術を駆使して画質の改善や高密度実装を可能とする2つのセンサーを提案する。「バイナリピクセルイメージャ」は、一般的なCMOSイメージセンサーなどが抱える「ダイナミックレンジと低照度時の画質の問題を解決できる」(Woo氏)技術だという。白とびや黒潰れを抑えることで、より鮮明な画質を得ることが可能となる。
もう1つは「レンズレススマートセンサー」である。従来のカメラでは光学処理をレンズやオートフォーカス、フィルタなどで行ってきた。これに対して、レンズレススマートセンサーではこれらの処理をコンピュータ処理で行い、取り込んだ画像イメージを復元する仕組みだ。「これまではレンズ形状がカメラモジュールのサイズを支配してきた。今回の技術はレンズを使わないため、実装面積をかなり小さくでき、高さも抑えられる」(Woo氏)ことから、スマートフォンなどの用途に向けて提案していく。他のセンサーと組み合わせて、ジェスチャ検出なども可能になるという。
「安全性の保護」に関しては、差分電力解析(DPA:Differential Power Analysis)への対策や、SoCに統合されるセキュリティIPコア「CryptoFirewall」を提供することで、「Internet of Trusted Things」環境を実現していく。
「転送」に関しては、低消費電力で高速にデータ伝送できる技術を提供する。データレートが40Gビット/秒を超える高速リンクや、モバイル機器向けのR+LPDDR3 DRAMなどを用意していく予定だ。同等の性能であれば消費電力をより少なくでき、同じ消費電力でよければ、より高い性能を実現することができる。「新たなビットセル技術も開発中」(Woo氏)と述べた。
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