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発電する基板も! デンソーの独自製法による多層基板JPCA Show 2014

デンソーは、熱可塑性樹脂と樹脂レス金属ペーストを用いた一括積層プロセス「PALAP(Patterned Prepreg Lay-Up Process)」による多層プリント基板を「JPCA Show 2014」で紹介した。同プロセスの応用例の1つが熱流センサーで、従来の温度センサーに比べて4倍の感度を実現している。

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 デンソーは、JPCA Show 2014(2014年6月4〜6日、東京ビッグサイト)において、熱可塑性樹脂と樹脂レス金属ペーストを用いた一括積層プロセス「PALAP(Patterned Prepreg Lay-Up Process)」による多層プリント基板を紹介した。その1つが熱流センサーで、従来の温度センサーに比べて4倍の感度を実現している。

 PALAPは、デンソーが開発した一括積層工法で、100層を超える超高多層基板から、4層で厚みが0.14mm以下という極薄フレキ基板まで、さまざまな要求に適応する多層プリント基板を実現することが可能である。これまで、半導体パッケージ基板(全層IVHの23層)やカーナビゲーション用部品内蔵基板(0603チップ部品を279個内蔵)、超高多層治具基板(全層IVHの129層)など、世界最高レベルの基板を実用化してきたという。

 熱流による表裏の温度差を電圧に変換する熱流センサーもその1つである。基板のビア部にp型半導体とn型半導体を形成する。これによって、例えばセンサー上部から熱源を近づけるとプラスの電圧を、下部から近づけるとマイナスの電圧を出力する。ニッケル合金と銅を用いた従来の温度センサーに比べて、感度は4倍に向上した。センサーの厚みも最小0.1mmまで薄くすることができる。

 熱流センサーの応用としては、エリアセンサーや液面センサー、風向センサーなどのセンシング用途から、着座センサーや背面センサー、足元センサーなど人体検知用途まで幅広い。ブースでは、着座センサーや背面センサーを張り付けた椅子を用意し、人が椅子に座ると人体を検知して、案内の文字表示を行うデモなどを行った。


椅子に張り付けられた着座センサーと背面センサーで人体を検知する (クリックで拡大)

 熱電モジュールも同様に、ビア部にp型半導体とn型半導体を形成した製品である。温度差で電位差を発生(発電)させたり、電流を流して温度差を発生(温調)させたりすることができる。PALAP技術を用いると500mm角サイズの熱電モジュールを実現することができるという。

 同社ブースでは、PALAP多層基板製品として、10〜30Gビット/秒のデータを基板内層で300mm伝送できる高速伝送基板や、トランス内蔵基板、高放熱基板なども紹介した。

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