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TVや自動車、ウェアラブル機器……裾野広がるAndroid“次の50億人”をつなげるために(2/2 ページ)

Googleの開発者向けカンファレンス「Google I/O 2014」では、「Android L」をはじめ、さまざまなアップデートが発表された。そこからは、Androidがスマートフォンだけではなく、TVやウェアラブル機器、自動車といった分野にまで確実に裾野を広げていることがうかがえる。

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Android TV、ソニーやフィリップスが対応機種販売へ

 Googleは、スマートフォンやAndroid Wear搭載端末で操作するゲームやAndroid TVなどに向けたAndroid拡張パックにおいて、NVIDIAのモバイル向けプロセッサ「Tegra K1」を採用することを明らかにした。Googleの担当者によると、2015年までには、ソニーの高画質4Kテレビ全機種と、フィリップスのテレビ15機種が、Android TVをサポートする予定だという。


Android TVは、NVIDIAのプロセッサの高性能なグラフィックスとGoogleの強力な検索機能を組み合わせている(クリックで拡大)

 Tegraは、応答メッセージや音楽再生、ナビゲーションなどに向けた音声認識ベースのシステム「Android Auto」にも搭載される予定だ。Androidエンジニアリングディレクタを務めるPatrick Brady氏は、「40社を超える新たなパートナー企業との提携により、Android Auto Allianceを設立した。2014年中には、最初のAndroid Auto対応自動車を発表できる予定だ」と述べている(関連記事:車載Android推進団体OAAの参加規模が6倍に、2014年末に「Android Auto」も登場)。

ウェアラブル機器市場への参入を後押し

 Android Lのリリースは2014年秋の予定だが、Android Wear搭載機器については既に販売が開始されている。例えば、LG Electronicsのスマートウオッチ「LG G Watch」や、Samsung Electronicsの「Gear Live」などが挙げられる。Samsungは以前、別のスマートウオッチでLinuxベースのモバイルOS「Tizen」とリアルタイムOSを採用すると発表していた。また、Motorola Mobilityの丸型文字盤のスマートウオッチ「Moto 360」も、Android Wearを搭載する。Moto 360は、2014年夏にも販売される予定だ。

 Android Wearは、音声で起動し、スマートフォンと同期化することによって情報の受信や制御を実行する。例えばユーザーがスマートウオッチに表示されたメッセージを読んでスワイプすると、スマートフォン上でも同じ動作が行われる。方向の指示や、タイマーのセット、音楽の再生などを行うことも可能だ。


2014年夏に発売される予定の「Moto 360」(クリックで拡大)

 Android Wearは今後数カ月以内に、Google Glassにも搭載される予定だという。Android Wearは、Google Glass上ではコード数がいくつか増えるものの、スマートウオッチの場合と同様に動作する。Staff Developer AdvocateであるTimothy Jordsan氏によると、「Android Wearは、ウェアラブル端末市場に参入する障壁を下げることになる」と述べている。

 Androidエンジニアリングディレクタを務めるDavid Singleton氏は、基調講演において、「スマートウオッチは、常時身に着けられる端末として、ユーザーの質問に対して常に最適な回答を提示することにより、モバイル世界における重要な鍵として機能していくだろう」と述べている。

新興国向けの安価なスマートフォン

 Googleは、新興国向けの新しいスマートフォンプロジェクト「Android One」についても簡単に触れた。Android Oneは、機器メーカー向けのハードウェアリファレンスプラットフォームである。2015年、Googleはインドの機器メーカー3社とスマートフォンを開発する予定だ。このスマートフォンは4.5インチディスプレイで、デュアルSIMカード、SDカード、FMラジオを備え、価格は100米ドル以下になるという。Googleは仕様についてはこれ以上の詳細は明かさなかった。

 Pichai氏は、「われわれの目標は、スマートフォンのユーザーがほとんどいない新興国の人々を含め、“次の50億人”の人をつなげることだ」と語っている。

【翻訳:田中留美、編集:EE Times Japan】

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