開発メーカーに聞きたい、なぜ“ウェアラブル”なのか?:「GoPro」の成功で考える(1/3 ページ)
続々と市場に投入されるウェアラブル機器。大手電機メーカーも相次いでウェアラブル製品を発表している。しかし、ウェアラブル、つまり“身に着けられる”ことが「ユーザーにとって一番の利点」だと本当に考えて製品を開発しているメーカーは、どれだけあるのだろうか。
エレクトロニクス業界に身を置く者の多くは、ウェアラブル機器の流行を誤って解釈しているのではないだろうか。
ウェアラブル機器の創成期に重要なのは、機器の外観(フォームファクタ)ではなく、「何のためのウェアラブル機器なのか」である。では、ウェアラブル機器を装着する目的とは何だろうか。新しいスマートウオッチを自慢したいという気持ち以外に、「装着すること」はユーザーにとってどんな意味があるのか。
筆者の手元に、2014年6月25日にSamsung ElectronicsとLG Electronicsから発売された2つのスマートウオッチがある。両製品とも、Googleのウェアラブル機器向けプラットフォーム「Android Wear」を搭載したものだ。
これらのスマートウオッチは、スマートフォンの全機能を詰め込むのではなく、ユーザーが必要な情報を受け取って迅速に対応できるように設計されている。以前のような、スマートフォンにベルトを付けただけのようなリストウオッチからは改善された。
だが、携帯メールやTwitterのつぶやき、Facebookの更新通知、Eメールを受信するたびに、スマートウオッチで確認したいと思う人が実際にどれほどいるのだろう。
もちろん、Android Wearを搭載したスマートウオッチは、こうした機能以外にもさまざまな事ができる。だが筆者には、Android Wearの通知機能は、“ポケベル”の時代に逆行しているようにも感じられる。ポケベルに縛り付けられた記憶がある人なら、あの感覚をもう一度味わいたいとは思わないのではないだろうか。
“身に着けられるカメラ”、市場を席巻したGoPro
Android Wearスマートウオッチの話はこのくらいにして、「GoPro」カメラについて考えてみよう。
「HERO」というブランド名で展開されるGoProカメラは、199.99〜399.99米ドルで販売されている。特にサーファーやドライバー、スケートボーダー、サイクリストなどのアスリートに支持されている。ウェアラブル機器の先駆けとなったプロトタイプ的な製品だ。
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