テレビ業界の“第3の波”、スマートテレビでは収益面の課題も:ビジネスニュース オピニオン(1/2 ページ)
テレビ番組をテレビだけで見ていた時代は終わり、番組の視聴スタイルは大きく変わっている。その変化をもたらしているのは、やはりスマートフォンだ。
スマートフォンが初めて市場に投入される前から、テレビの視聴方法の進化は始まっていた。テレビはかつて、ケーブルテレビ用のセットトップボックスなどによってしか、コンテンツを視聴することはできず、その存在はとりでのようだった。だが、インターネットを介してPCでコンテンツを視聴できるようになると、そのとりでは決壊した。その後、スマートフォンやタブレット端末でも視聴できるようになると、決壊はさらに進んだ。
今日、ビデオやオーディオ、イメージ、テキストといったあらゆる形式のメディアが、有線/無線インターネットで配信されるようになり、コンテンツはあらゆる端末でいつでもどこでも閲覧できるようになっている。こうしたコンテンツの破壊的な進化やその経緯を理解するには、資本の流れを追うのがベストな方法だ。投資家はどこに投資しているのだろうか。
カナダの投資会社であるDifference Capitalは、報告書「It's Time to Change the Channel」の中で資本の流れについて述べている。同社は最近、コンテンツ制作会社であるカナダのThunderbird FilmsとBlue Ant Media、IPベースのブロードバンドサービスプロバイダである米国のiPowowとカナダのQuickPlay Mediaに投資している。
Difference Capitalの投資は、コンテンツの進化に貢献している。一例として、カナダ トロントを拠点とする非上場の新興メディアカンパニーであるBlue Ant Mediaは、ライフスタイルや旅行、音楽、自然、ドキュメンタリーといったさまざまなカテゴリのコンテンツを制作して世界中に配信している。同社は、Cottage LifeやAUX、Smithsonian Channel Canada、Oasisなどの独自のメディアブランドを展開し、テレビやモバイル機器、ウェブ、雑誌などの媒体に向けてコンテンツを発行している。
QuickPlay Mediaは、マルチスクリーンマネージドサービスプロバイダである。同社は、IP接続された端末に、ビデオオンデマンドや生中継などのエンドツーエンドサービスを提供するために必要なあらゆる技術やリソースを供給している。
同社は、VerizonやAT&T、Rogers、Bloombergなどの通信/メディアカンパニーに向けたマルチスクリーンビデオサービスを展開し、成功している。同社独自のマネージドサービスプラットフォームである「OpenVideo」には、HBOやCBCなどの4000社を超えるプロバイダのコンテンツが蓄積されている。OpenVideoは、これらのコンテンツを400種類以上のデバイス向けに最適化し、デジタル著作権管理やセキュリティ要件を満たした高品質な映像を提供している。
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