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スバルのモーター用ECU、古野電気の気象レーダー――日本企業の開発事例が注目集めるNIWeek 2014(2/2 ページ)

National Instruments(ナショナルインスツルメンツ/以下、NI)のテクニカルカンファレンス「NIWeek 2014」の基調講演2日目では、NIの製品を用いた開発事例が紹介された。日本メーカーでは富士重工業のモーター用ECUの検証システムや、古野電気の気象レーダーが紹介され、おおいに注目を集めた。また、「Cyber-Physical Systems」を実現するプロジェクトとして、“スマートツール”で航空機を組み立てる、Airbus(エアバス)のスマート工場のコンセプトも発表された。

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機体を“スマートツール”で組み立てる、エアバスの未来の工場

 ここ数年、現実世界とコンピューティング能力を結び付ける「Cyber-Physical Systems」は、NIが見据える時代のトレンドの1つになっている(関連記事:ビッグデータ時代では分散データの同期が鍵に――NIWeek 2014基調講演)。2日目の基調講演ではCyber-Physical Systemsを実現するプロジェクトとして、Airbus(エアバス)が「航空機を製造するスマート工場」を紹介した。

 飛行機を組み立てるには、何万という工程が含まれている。工程を1つでも間違えば、人の命に関わる重大な事故につながるのは容易に想像できる。ミスをなくすべく、Airbusは各工程において正しい作業ができるように導く“スマートツール”の開発を進めている。例えば、開けている穴の深さをモニタリングして、穴を開ける作業を制御する“スマート電動ドリル”、ネジのトルクやネジ締めのスピードなどを場所に応じて自動で設定する“スマート電動ドライバ”などがある。

 基調講演では、作業の様子を確認できるメガネ型端末のプロトタイプが紹介された。内蔵のカメラで手元の作業を認識し、ツールに適切な処理を与える機能を想定している。例えばネジを締めている場合は、その作業をカメラで画像認識し、「トルクが強い/弱い」といったフィードバックを電動ドライバに送る、といった具合だ。

 Airbusは、これらスマート工具の開発に「NI System on Module(SOM)」を活用している。SOMは、Xilinxの「Zynq-7000 All Programmable SoC」を搭載した小型の制御用ハードウェアである。開発したいスマートツールに合わせてLabVIEWでプログラミングし、FPGAを書き換えるだけでいいので、開発時間の短縮に貢献するという。

左=Airbusによる“スマート工場”のコンセプト。中央=作業の様子を確認できるメガネ型端末のプロトタイプ。右=Airbusがスマート工具の開発に利用している「NI System on Module(SOM)」(クリックで拡大)

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