中国、政府調達リストからApple製品を一部除外:iPhoneは含まれていないが……(1/2 ページ)
中国政府は、「iPad」「MacBook Air」などAppleの10製品を、政府調達リストから除外した。米国の機密情報収集活動が明らかになったことで、米国の技術製品に対する不信感が高まったことを受けての措置だとみられている。
中国政府は、「iPad」や「MacBook Air」などを含むAppleの10製品を、政府調達リストから除外した。2013年に、米国が広範に及ぶ機密情報収集活動を行っていたことが明らかになり、外国当局の間で米国製の技術製品に対する不信感が高まっていることを反映した措置である。
Bloombergの報道によると、中国の国家発展改革委員会(NDRC)と財政省が2014年7月、政府資金による調達の対象となる技術製品リストを発表したが、その中でApple製品が除外されていることが明らかになったという。2014年6月時点のドラフト版のリストには、Apple製品は入っていたようだ。またMicrosoftは、その1カ月前の2014年5月に、同社の「Windows 8」が中国政府の調達リストから外されることを知ったという。
今回の件について、中国当局やAppleからのコメントは得られていない。
米国は2014年5月、中国の軍当局者5人を、サイバースパイ活動を行った容疑で身柄を拘束しないまま起訴した。これを受けて中国当局は、セキュリティ上の潜在的な脅威に対する懸念があるとして、海外の技術企業に対して再調査を行うことを表明した。Guardianが同月に報じたところによると、米国の国家安全保障局(NSA)は、米国国外の消費者向けに出荷される技術製品を定期的に受け入れたり除外したりして、スパイ活動を行うためにバックドアをインストールしていたという。これはまさに、米国政府当局が2012年の報告書の中で、中国のHuaweiやZTEが行っている可能性があるとして警鐘を鳴らしていた内容そのものである。
またロシアも、米国家安全保障局(NSA)の元職員であるEdward Snowden氏が米国当局の積極的な情報収集活動を暴露したことを受け、対応を講じている。ロシア政府は、AppleとSAPに対し、ソフトウェアに極秘のスパイ機能が搭載されていないかどうかを判別するためのソースコードを引き渡すよう求めている。Microsoftは2003年から、ロシア当局に対して同社のソースコードへのアクセス権を提供している。
ロシアの通信大臣であるNikolay Nikiforov氏は、「Snowden氏が暴露したことや、米国の諜報機関が公式声明を発表したことなどを受け、外国企業のハードウェア/ソフトウェア製品に対する信頼性が疑問視されるようになった」と述べている。
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