鈍化しつつある中国のタブレット市場、64ビット対応が鍵に:ビジネスニュース 企業動向(2/2 ページ)
中国ではタブレット端末市場の成長が鈍化し始めている。中国のタブレット端末向けIC市場でIntelとMediaTekがシェアを伸ばす中、Actions Semiconductorは64ビットCPUを武器に、同市場で生き残りをかけようとしている。
64ビット対応が鍵に
Zhou氏は、「当社が今後生き残れるかどうかは、これから出てくるタブレット端末が、28nmプロセス技術や64ビットCPUを採用するかにかかっている」と述べる。同社は2014年6月に、ARMのプロセッサコア「Cortex-A50」シリーズのライセンスを取得したことを発表し、64ビットに対応したタブレット端末市場をターゲットにしていく考えを明らかにした。
業界全体を見ると、32ビットアーキテクチャから64ビットへの移行はまだ初期の段階にある。Actions Semiconductorの動きは中国でも先行していることになる。Zhou氏によれば、2014年末か2015年初頭には、同社初となる64ビット対応製品を発表する予定だという。
同社は今後、Bluetooth搭載ブームボックス向けに、Bluetooth通信機能とオーディオプロセッサを集積したSoCの他、Googleの「Chrome OS」を搭載したノートPC「Chromebook」向けに64ビット製品を開発する予定である。
構造改革
一方でActions Semiconductorは、資本構成の最適化を目指し、自社株の買い戻し計画を拡大している。同社は2014年8月15日、最大6000万の発行済み株式と社外発行普通株式を現金で購入するため、ダッチオークション方式の株式公開買い付け(テンダーオファー)を開始することを発表した。
同社は自社株買い戻し以外にも、指揮命令系統面の構造を合理化する計画などを明らかにしている。
こうした動きは深刻な内部問題を反映したものだと思われる。Actions Semiconductorは上述した取り組みを通じて、伝統的なPMP製品(その多くが組み込み型である)を手掛ける部門を強化し、他社製のタブレット端末やAndroidベースの新世代製品に対抗することを狙う。
【翻訳:青山麻由子、編集:EE Times Japan】
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