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脳波で家電を操作、ALS患者向けのソフトウェアセンシング技術(1/2 ページ)

フィリップスとアクセンチュアが、脳波で家電を操作するソフトウェアを開発した。脳波測定機器とタブレット端末、ウェアラブルディスプレイを接続し、照明やテレビの操作や、メールの送信などを行う。筋肉の萎縮などが起きるALS(筋萎縮性側索硬化症)患者など、身体にまひを持つ患者が暮らしやすい環境の実現を目指す。

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 Royal PhilipsとAccentureは、脳波で家電などを操作できるなど、まひ患者にとって暮らしやすい環境を提供することを目指してきた。両社は、脳波を測定する機器「Emotiv Insight Brainware」とウェアラブル機器を接続するソフトウェアを共同で開発し、コンセプトを実証するためのソフトウェア(コンセプト実証ソフトウェア)として発表した。コンセプト実証には、ALS(筋萎縮性側索硬化症)*)患者がボランティアとして参加した。なお、Accentureによれば、同ソフトウェアはコンセプト実証用のものであり、現段階で製品化の予定はない。

*)運動神経細胞が侵され、筋肉が委縮するなどの症状が起こる病気で、難病の1つに指定されている。米国のプロ野球選手ルー・ゲーリックがかかったことでも知られる。現在、ALSの啓発キャンペーンとして、氷水をかぶるか、米国ALS協会に寄付をする動きが世界で広がっている。


「Emotiv Insight Brainware」の外観 出典:Philips

装着したイメージ 出典:Philips

 ウェアラブルディスプレイと、Emotiv Insight Brainwareをタブレット端末に接続すると、ユーザーは脳からの指令で「フィリップス緊急通報サービス」、「フィリップス・スマートテレビ」(TP Vision社製)、「スマートLED照明 Philips hue」などのフィリップス製品を制御できる。脳波だけでなく、視線や音声でも制御することが可能だ。患者は、定型文のメッセージを使ったコミュニケーションや医療サポートの要求、テレビや照明の操作が可能になる。

 ALS患者が筋肉の制御と目を動かす力を失った場合でも、脳波を通じて、タブレット端末に接続したPhilipsの製品を操作できる。Emotiv Insight Brainwareには、患者の思考や感情、表情などをリアルタイムで検知し、脳から発信される電気信号を捕えるセンサーが搭載されている。患者は、ウェアラブルディスプレイによって、視覚的にアプリケーションメニューを操作することができる。

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