日立ハイテクが実装機事業から撤退、ヤマハ発動機に資産を譲渡:実装ニュース
日立ハイテクノロジーズ(日立ハイテク)が表面実装機事業から撤退すると発表した。併せて、表面実装機事業の資産をヤマハ発動機に譲渡することも明らかにした。譲渡金額は公表していない。
日立ハイテクノロジーズ(日立ハイテク)は2014年9月5日、100%子会社の日立ハイテクインスツルメンツが開発し、日立ハイテクが販売する表面実装機事業から撤退すると発表した。2015年3月末までに撤退を完了させる方針。事業撤退に併せて、2015年2月1日に、表面実装機事業の資産をヤマハ発動機に譲渡することも明らかにした。譲渡金額は公表していない。
日立ハイテクの表面実装機事業の売上高は、2011年度の134億円から2013年度には68億円まで減少している。これは、PCやデジタル家電市場の低迷、ハイエンドモバイル市場の成長鈍化によるものだ。同社はこれまでも継続的に事業構造改革を実施してきたが、業績改善を図るのは難しいと判断し事業撤退を決めた。
今回撤退する表面実装機事業には、2009年に発売した高速機「Σシリーズ」やスクリーン印刷機、フィーダなどの製品が含まれる。ヤマハ発動機に譲渡するのは、これらの製品と、製品を生産する設備や保守用のパーツなどの資産であり、表面実装機を生産していた日立ハイテクインスツルメンツの本社工場や表面実装機事業に関わる従業員は含まれない。なお従業員については、「日立ハイテクグループ内での再配置を検討するとともに、再就職支援も行う」(日立ハイテク)という。また日立ハイテクインスツルメンツについては、半導体後工程で用いるダイボンダーなどの開発や生産を続けるため事業活動を継続する。
一方、ヤマハ発動機の表面実装機事業は中速以下の多機能機が中心で、2012年から高速機の「Z:TA(ジータ)」などを投入し事業範囲を拡大している。今回の資産譲渡により、高速機分野における技術基盤の強化や顧客先の拡大を図りたい考えだ。なお、Σシリーズの生産は、既存顧客からの受注がある限り続ける方針である。
ヤマハ発動機で表面実装機や産業用ロボットを扱うIMカンパニーの2013年度の売上高は323億円で、表面実装機の出荷台数は1955台。2014年度の目標は売上高が370億円で、表面実装機の出荷台数は2500台。この数字に今回の資産譲渡分は含まれていない。
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