台湾インダクタメーカーのチリシン「3年後に、全社売上高の20%を日本で売る」:ビジネスニュース 企業動向(1/2 ページ)
台湾のインダクタ専業メーカーChilisin Electronics(チリシン エレクトロニクス/奇力新)は、車載機器、産業機器向け製品の強化を展開し、全売上高に占める日本売上高を20%へと引き上げると明らかにした。
台湾のインダクタ専業メーカーChilisin Electronics(チリシン エレクトロニクス/奇力新電子、以下=チリシン)は、車載機器、産業機器向け製品の強化を展開し、全売上高に占める日本での売上高を20%へと引き上げると明らかにした。特に、PC向けで実績があり、車載機器/産業機器でも需要が拡大しつつあるというモールドタイプインダクタで、シェア上位の日系インダクタメーカーを追い上げる。
インダクタ出荷数「世界4位」
チリシンは、1972年に台湾で創業したインダクタ専業メーカーだ。創業時よりフェライトなど材料を自社で手掛ける一貫した開発製造体制を強みに事業を拡大してきた。特に地元台湾のPC産業の拡大と歩を合わせて、1990年代から事業を拡大させ、2001年に上場を果たすなど台湾を代表するインダクタメーカーに成長。さらに近年は、スマートフォン向けを中心に欧米を含めた世界的なビジネスも順調に拡大し、「調査会社の集計によると、数量ベースでは村田製作所、TDK、太陽誘電に次ぐ、第4位のシェアを獲得し、金額ベースでも第6位の位置にある」(総経理 鐘世英氏)とする。
最近の売り上げ推移も順調だ。リーマンショック後の2009年から2013年まで4年連続して売り上げ成長を達成し、その年平均成長率は17%を超える。2014年も過去最高売上高を更新する見込みであり「2014年9月も単月として過去最高の売り上げを達成した」(鐘氏)。
民生機器向けで成長
現状の売り上げ成長を支えているのは、PCやルータ、セットトップボックスといった民生用通信機器、スマートフォンなどモバイル機器といった民生機器向けインダクタ製品。巻き線タイプから、モールドタイプ、積層タイプ、薄膜タイプとあらゆる構造の高周波用インダクタ、パワーインダクタをそろえ、多種多様なニーズを取り込む。小型化競争でも、シェア上位の日系メーカーを猛追し、巻き線タイプ、薄膜タイプ、積層タイプそれぞれで「0603サイズ」(0.6×0.3mmサイズ)を量産し、スマホ向け受注拡大に大きく寄与している。
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