あくまで高性能な部品を、シャオミのこだわり:8割のサプライヤに断られたことも(1/3 ページ)
Xiaomi(シャオミ、小米)は、当然ながら最初から順風満帆だったわけではない。新興企業ならではの苦労があった。当時は無名だったために、サプライヤの確保がうまくいかず、ディスプレイの供給ではシャープともめたこともあった。だが、Xiaomiの目指すものはあくまでハイエンドスマートフォンであるため、部品の妥協はしなかった。
※第1部となる「小米(シャオミ)創世記――粒ぞろいの経営者たち」はこちらからご覧ください。
サプライヤがいなかった
中国のスマートフォンメーカーXiaomiは、業界のあらゆる企業がボックス事業に見切りをつけたのとほぼ同時に民生機器市場に参入した。もしXiaomiが成功したら、見切りをつけた企業が間違っていたことが証明されるだろう。
Xiaomiにとって、ボックス事業は簡単なことではなかった。同社は部品サプライヤからささやかな協力を得るために奔走しなくてはならなかった。
Xiaomiの共同創設者でプレジデントのBin Lin氏は、EE Timesとのインタビューの中で、Xiaomiが最初のスマートフォンをついに完成させた時点で、サプライヤがいない状態が6カ月も続いていたことを認めている。たった1社のサプライヤが部品の供給に失敗し、同社に致命的な打撃を与える可能性もあった。Bin氏はその6カ月間を「まるでジェットコースターに乗っているようにはらはらし通しだった」と振り返った。
そのような危ない橋を渡り切った今、Xiaomiの継続的な成功は「中国以外の市場に首尾よく参入すること」と「Googleとの関係」という2つの要素にかかっている。
Xiaomiは既に香港、台湾、シンガポールに製品を提供している。Lin氏によると、これ以外に同社が参入を目指す市場としてはインド、マレーシア、さらにアジアの数カ国が挙げられるという。その他、イタリアにも可能性があるとしている(イタリアでは、ユーザーの約半数が大枚をはたいてスマートフォンを購入するという)。
Lin氏の説明によると、Xiaomiの海外進出は、ユーザーが通信事業者と契約するよりも“自分自身でスマートフォンを購入したがる”国に限られているようだ。米国のモバイル市場は、通信事業者による抑圧が厳しいために参入が難しい。
また、Googleの要素もある。Lin氏はGoogleが協力企業を制限することで「エコシステムの管理を厳しくする」のではないかと懸念している。同氏は、LenovoがGoogleからMotorola Mobilityを買収したことを好ましく思っている。これにより、Androidスマートフォンのベンダー間のサポートやコード共通化が公正になる可能性があるからだ。だが、Lin氏は近い将来起こるであろう何らかの変化も感じ取っているようだ。同氏は「もちろん、そのようなことが起きないことを願っている」と述べた。
Xiaomiのソフトウェアは、Androidと100%互換性がある。一方で、Xiaomiのユーザーインタフェース「MIUI」はAndroidの機能を拡張するように設計されている。Googleが将来Xiaomiをライバルとして見なさない保証はない。
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