第1回 最先端の半導体チップを見に行こう:徹底プレビュー「ISSCC2015の歩き方」(2/2 ページ)
毎年2月に米国のサンフランシスコで開催される半導体チップ関連の国際学会「ISSCC」。半導体のほぼ全ての分野をカバーしていて、200本の論文が発表され、約3000人が来場する。半導体業界にとって重要な学会であるISSCCについて、開催概要から分野別の注目テーマまで、徹底的にプレビューする。
5日間のイベント、3日間のカンファレンス
来年(2015年)2月に開催される「ISSCC2015」の会期は、2015年2月22〜26日までの5日間である。その中で3日間、つまり、2月23〜25日がメインイベントであるテクニカル・カンファレンスの会期となっている。先ほど説明した約200本の発表論文は、このテクニカル・カンファレンスで、スライドを使用した講演の形式で発表される。
カンファレンス開幕前日の2月22日とカンファレンス閉幕翌日の2月26日は、参加者のための聴講形式のイベントが組まれている。22日には、初心者・新人向け講座(チュートリアル)、26日には中級者向け講座(ショートコース)がある。また22日と26日には、最新の研究成果についてテーマを絞って議論するフォーラムが予定されている。
カンファレンスの参加者には、参加登録料金を支払って氏名や所属などを登録することが義務付けられる。もちろん、オンラインでクレジットカードを使って事前に登録できる。登録料金は日時によって違い、「アーリーレート」と呼ばれる、早めに登録した参加者向けの割引料金がある。ISSCC2015では2015年1月16日が、早期割引料金の適用期限である。
なお、カンファレンスの参加料金と、チュートリアルやショートコースなどの参加料金は、別になっていることが多い。注意されたい。
プログラムをISSCCのWebサイトから入手
ISSCC2015のプログラムは、オンラインでPDF形式のファイルをダウンロードすることで入手できる。毎年、11月末までにはISSCCのWebサイトにアップロードされる。今年は11月26日に、アップロードされていたことを確認した。ISSCCの参加を検討している方は、プログラムを入手して内容を検討することをお勧めする。ISSCCのテクニカル・カンファレンスは、複数の講演セッションが同時に進行する。事前に聴講スケジュールを、ある程度は決めておくことが望ましい。また開催直前には、プログラムの内容が一部、変わっていることがある。時間に余裕があったら、開催日の直前にプログラムを改めて入手し、スケジュールを確認しておくとなお良いだろう。
(次回に続く)
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