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RF(高周波)編:次世代ウェアラブルを支える最先端の無線回路技術徹底プレビュー「ISSCC2015の歩き方」(5)(1/2 ページ)

ISSCC2015では、RF関連の発表件数が27件と、かなり多い。これらは3つのセッションに分かれて発表される。今回は、3つのセッションに沿って、RF関連の注目論文を紹介していこう。

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無線通信のフロントエンドを構成

 RF(高周波)をテーマとする発表は、無線通信のフロントエンドに関わるものだ。アンテナを介して受信した微弱な信号を低雑音で増幅したり、アンテナを介して送信する信号をあらかじめ所定の出力にまで増幅したりする回路や部品などの開発成果である。次世代のモバイル機器やウェアラブル機器、ワイヤレス・ネットワーク・センサー端末、無線通信インフラなどを支える、重要な要素技術といえる。


ISSCC会場ホテルの廊下にある案内看板
ISSCC会場ホテルの廊下にある案内看板(クリックで拡大)

 RF(高周波)関連の発表件数はかなり多く、総計で27件におよぶ。27件の発表は3つのセッションに分かれている。セッション2(サブテーマは「RF TX/RX設計技術」、2月23日月曜日午後1時30分開始予定)とセッション13(サブテーマは「エネルギー効率の高いRFシステム」、2月24日火曜日午後1時30分開始予定)、セッション25(サブテーマは「RF周波数生成、GHzからTHzまで」、2月25日水曜日午後1時30分開始予定)である。

130GHz〜180GHzのTDD無線通信に対応したスイッチ

 セッション2(RF TX/RX設計技術)では、無線通信の送信器(TX)と受信器(RX)の構成部品に関する研究成果が報告される。全部で10件と数多くの講演を予定している。なかでも注目される開発成果は、130GHz〜180GHzというものすごく高い周波数帯域の信号に対して動作するSPDT(Single-Pole Double-Throw)スイッチである。シンガポールのNanyang Technological Universityなどが開発した(講演番号2.3)。送信と受信でアンテナを共用する無線端末では、時間を分割して送信と受信を切り換える(TDD方式)。切り換えに必要なのがSPDTスイッチで、低い挿入損失と高いアイソレーションが要求される。発表されるSPDTスイッチは、ダイ面積が0.0035mm2と極めて小さい。挿入損失は3.3dB、アイソレーションは23.7dB。製造技術は65nmのバルクCMOSである。

 またセッション2では、10件中の5件を送信用パワーアンプに関する発表が占める。伊仏合弁のSTMicroelectronicsらの研究チーム(講演番号2.10)、米国のGeorgia Institute of Technologyと東芝の共同研究チーム(講演番号2.8)、韓国のSamsung Electronics(講演番号2.7)などが開発成果を披露する。

セッション2(RF TX/RX設計技術)の注目講演
セッション2(RF TX/RX設計技術)の注目講演(クリックで拡大)

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