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次はIoTへ――シャオミの野心スマホでの成功を武器に(2/3 ページ)

スマートフォンの成功で上昇気流に乗っているXiaomi(シャオミ)。次はモノのインターネット(IoT)分野を狙うとの見方が濃厚だ。

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“模倣スマホ”メーカーではない

 Xiaomiの持つ技術力を侮ってはいけない。数年前までは世界が、中国ブランドに対して「安価な模倣スマートフォン」というイメージを持っていただろうが、これはXiaomiには当てはまらない。Xiaomiは、自社の有能な技術チームが厳選した、信頼性の高い部品を使うことにより、高品質スマートフォンとしての評価を獲得することに成功している。

 ロイター通信によれば、Xiaomiの450億米ドルという時価総額は、世界第1位のPCメーカーであるLenovo Groupの時価総額の約3倍に相当する。また、Lenovo Groupが2013年最後の投資ラウンドで得ていた評価額は100億米ドルだったことから、その4倍を超えたことになる。

 Xiaomiがスマートフォンベンダーであることは疑う余地がない。だが同社は、“モバイルインターネット企業”としてビジネスモデルを形作ることで、投資家の関心を集める存在になった。中国のエレクトロニクス業界筋が指摘するように、「インターネット企業の市場価値は、従来のハードウェア企業よりもずっと高い」とされている。

 XiaomiのCEO(最高経営責任者)を務めるLei Jun氏は2014年12月30日に、中国のソーシャルネットワークであるWeibo(微博)で、「直近の投資ラウンドでは、プライベートエクイティファンドであるAll-Stars InvestmentやDST Global、Hopu Investment Management、Yunfeng Capitalの他、シンガポールの政府系投資ファンドであるGICからも出資を受けた」と明かした。

次なる狙いはIoT市場

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シャオミのTV

 3年足らずでSamsungとAppleに次ぐ世界第3位のスマートフォンベンダーに成長を遂げた今、Xiaomiが次に目指すのは何か。2015年以降、同社はどういった戦略を展開していくのだろう。

 筆者は、中国の複数の情報筋に対してこの質問を投げかけてみた。すると、全員が「Xiaomiが次に挑もうとしているのは、IoT(モノのインターネット)市場だ」と答えた。

 Xiaomiは、スマートフォンの他にも数多くの製品を開発し、中国市場に投入してきた。具体的には、携帯用バッテリーやWi-Fiルーター、OTT(Over-The-Top)ボックス、TV、タブレット端末、スマートリストバンド、空気清浄器などだ。中国のある情報筋は、EE Timesに対して「これまでのところ、これら全ての製品に対して市場の反応は良好だ」と語っている。

 この情報筋によると、Lei氏は、「100種類以上の製品で、スマートフォンと同様の成功を収めるつもりだ」と述べているという。

追う側からリードする側へ

 ではXiaomiは、この目標をどのように達成するつもりなのだろうか。

 Xiaomiの戦略は、同社が2014年12月初頭に、中国の家電メーカーであるMideaに2億米ドル以上を出資したことで明らかになった。Xiaomiは、スマートホーム戦略の一環としてこの投資を行っている。

 Mideaは中国広東省を拠点に、エアコンや冷蔵庫、キッチン機器などの多彩な家電製品を製造している。同社は今後3年間で、スマートホームの研究開発に150億人民元(約2827億円)を投じる計画とされている。

 Mideaは2014年3月にスマートホーム戦略を発表したが、この際に、同社のスマートセットトップボックス「M-Box」の開発にHuaweiとAlibabaからサポートを受けることを明らかにしていた。両社はそれぞれ、ITネットワークハードウェアとソフトウェアに関するサポートを提供するという。このパートナーシップに、Xiaomiも加わることとなる。

 しかし、XiaomiのIoT戦略が成功するかどうかは、現時点では不明だ。

 100種類以上の製品でスマートフォンと同様の成功を収めるという目標を達成するのは厳しい。だが、IoT市場での成功は、それ以上に厳しいものになる可能性が高い。

 IoT市場は歴史が浅く、その定義は広範であいまいだ。スマートフォン市場におけるAppleやSamsungのような明確なリーダーはまだ誕生していない。XiaomiはIoT市場では、リーダーを追いかけるのではなく、製品の定義を作り出し市場をリードしていかなければならない。

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