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“次の手”がないスマホ市場、サムスンはさらに窮地か?――MWC 2015総括14nm FinFETも差異化要因にはならず?(1/2 ページ)

「MWC 2015」が閉幕した。Samsung Electronics(サムスン電子)の「Galaxy S6」など、注目を集めた発表はあったものの、今後のスマートフォン市場をけん引していく要素は、見当たらなかったのではないだろうか。

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 Samsung Electronicsは、スペイン バルセロナで2015年3月2〜5日に開催された「Mobile World Congress(MWC)2015」において、新型スマートフォン「Galaxy S6」を発表した。しかしこの先、同社にとってだけでなく、スマートフォン市場全体にとって、さまざまな困難が待ち受けているようだ。エレクトロニクス業界にとっても難しい状況になるだろう。

 世界スマートフォン市場は今後、苦境に陥っていくのではないだろうか。とりわけSamsungにとっては、厳しい状況が待ち構えているといえる。

 SamsungはMWC 2015の会場で、新型スマートフォン「Galaxy S6」を発表し、トップメーカーとしての地位をアピールした。14nm FinFETプロセス技術を適用したプロセッサ「Exynos」が搭載されるという。

 同社は、スマートフォン市場ではAppleを超え、プロセス技術ではTSMCを追い抜いてきたにもかかわらず、今後どのような窮地に立たされることになるのだろうか。

 アナリストであるRobert Maire氏は、「Samsungの新型スマートフォンは、現在高い人気を博している『iPhone 6』の勢いを奪うには力不足だ」との見解を述べている。さらに、同氏は「Samsungの14nmプロセス技術は歩留まりが低いのではないか」と見ていて、「Appleが次世代iPhone向けに開発を進めているプロセッサ(『A9』となるのか)に関しても、この先何カ月にもわたり収益を高められない可能性がある」と指摘する。

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 Maire氏の見解は、こうだ。「Samsungは、Appleからの委託製造を取り戻すことにこだわり過ぎたのではないだろうか。“次なる勝負にかける”ことで、十分な収益性を確保できるだけの高い歩留まりを実現したい考えのようだ。しかしA9は、歩留まりが低いにもかかわらずSamsungの工場の生産能力の大半を占有することになるため、Qualcomm向けに製品を提供した方が合理的な利益を得られるのではないだろうか」。

 米国の市場調査会社であるGartnerは、SamsungがMWC 2015において鳴り物入りでGalaxy S6を発表したのと時を同じくして、スマートフォン市場シェアに関する最新データを発表している。これによれば、Samsungは今回、2012年以来初めてAppleに世界第1位の座を明け渡すことになった(関連記事:Appleがサムスンを逆転――2014年Q4のスマホ市場)。さらに、LenovoやHuawei、Xiaomi(シャオミ)などの中国メーカー各社が、Samsungに迫る勢いを見せている。

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