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意外と知らない? 計算機の歴史を神楽坂でたどってみた:起源は小石(2/3 ページ)
東京都新宿区の神楽坂に、東京理科大学近代科学資料館がある。この資料館、実は、小石や算木から日本初の大型商用コンピュータまで、さまざまな年代の計算機を数多く所蔵しているのだ。意外と知らない計算機の歴史を、同資料館の展示品とともにたどっていこう。
そろばんの登場
そろばんというと日本のイメージが強いかもしれないが、起源はローマだといわれている。それがシルクロードを通って日本に伝わったようだ。また、ロシアやイランなどでも使われてきた。
こうして並べてみると、日本以外のそろばんの玉は、だんごをつぶしたような平たい形状であることに気付く。日本のそろばんの玉は、ひし形をしている。日本人は、玉をより速く弾けるように改良したのである。ガイドの学生さんは、「このように、日本人は昔から改善していくのが得意だったのです」と説明してくれた。
ちなみに、そろばんは1700年前後(元禄時代)から子どもの教育に使われ始めたようだ。いわゆる「寺子屋」で“読み書きそろばん”の教育に力を入れたことで、江戸末期の日本の識字率は世界最高水準にあったといわれている(参考:「実物でたどる コンピュータの歴史」竹内伸 著)。
せっかく、こんなに長いのだ。スマートフォンでパノラマ撮影というやつを試してみたい。
鬼気迫る表情で撮影を繰り返していたところ、「あの〜、すみません、そろそろ……」と、おそるおそる声をかけられたので、次のコーナーへ移動することにする。
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