モノづくりで成長する中国――2014年の特許出願件数ランキングから:ビジネスニュース 企業動向(2/2 ページ)
WIPO(世界知的所有権機関)が2014年の特許出願件数ランキングを発表した。それによると、中国のHuawei Technologiesが首位を獲得した。日本メーカーは、パナソニックが第3位に入っている。国別のランキングでは、米国が1位、日本が2位だった。
モノづくりで急成長する中国
年次報告書を見れば、どの企業が躍進しているのか、確実に進歩を遂げているのはどの地域か、特許出願数が集中しているのはどの技術分野なのかなど、国際特許の概要がよく分かる。
今回明らかになったのは、中国が単なる“コピー大国”と見なされていた時代が、もはや急速に過去のものになりつつあるということだ。
WIPOのリポートによると、今回、特許出願件数において2桁の成長を達成することができたのは、中国だけだったという。中国は、低コストで製造を担う世界の工場としての位置付けから抜け出し、付加価値の高い製品/技術を開発する国家としての地位を獲得すべく、精力的に取り組んできた。一方で日本は、2013年の出願件数で第1位だったパナソニックが転落したこともあり、合計特許出願件数が減少する結果となった。
2014年におけるPCT特許出願件数の国別ランキングで第1位を獲得したのは米国で、前年比7.1%増となる6万1492件だった。第2位は日本で、4万2459件だったが、前年比では3%減となっている。第3位の中国は、前年比18.7%増となる2万5539件だった。
欧州は近年、厳しい経済情勢の中で悪戦苦闘していたが、力を取り戻してきたようだ。リポートによると、「今回、2007年以来初めて、欧州連合のトップ3カ国が、PCT特許出願件数において記録的な成長を遂げた。中でも、フランスと英国が大きな成果を達成している」という。
技術分野
WIPOリポートは、35種類の技術分野から収集したデータを使っている。その中で、PCT特許出願件数が最も多かった分野は、コンピュータ技術の1万7653件だった。出願件数が前年比で大きく伸びた分野には、計測制御技術(21.4%)、コンピュータ技術(19.4%増)、医療技術(17.1%)、デジタル通信(14.5%)などがある。
【翻訳:田中留美、編集:EE Times Japan】
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 中国がQualcommに独禁法違反判決、特許使用料はどうなる?
中国がQualcommに対し、独占禁止法に違反したとして罰金の支払いを命じた。同時に、Qualcommの特許使用料率も引き下げている。 - Qualcommが「中国はロイヤルティーを支払う義務がある」と主張
世界最大の携帯電話機向けチップメーカーであるQualcomm(クアルコム)と中国政府が特許料の支払いを巡って、にらみ合っているとようだ。 - 2014年 米国特許ランキング、Googleが初のトップ10入り
IFI Claims Patent Servicesの発表によると、2014年における米国特許の取得数ランキングで、Googleが初めてトップ10にランクインした。首位はIBM。トップ10内に日本企業は4社が入っている。 - 特許戦略に変化の兆し、量より質へ?
米国特許庁によれば、2014年に認可された特許は30万674件で、2013年に比べて8%増加した。ただし、ある専門家は、特許戦略は今後、“量よりも質”に重点が置かれる傾向になると予想している。 - 2012年における欧州の特許出願件数、Samsungがトップに
Samsung Electronicsは、2012年における欧州特許出願件数で、アジア企業として初めて首位を獲得した。中国のZTEも、2011年の43位から一気に順位を上げ、トップ10入りを果たしている。