“コンマ数パーセント”が問われるモータ/インバータの効率改善に効く基本確度±0.04%の電力計:TECHNO-FRONTIER 2015
横河メータ&インスツルメンツはTECHNO-FRONTIER(テクノフロンティア)2015」で、「業界最高の電力基本確度」(同社)という電力計を展示した。
横河メータ&インスツルメンツは2015年5月20〜22日に千葉市・幕張メッセで開催されている「TECHNO-FRONTIER(テクノフロンティア)2015」で、「業界最高の電力基本確度±0.04%」(同社)をうたう電力計(プレシジョンパワーアナライザ)「WT3000E」を展示した。
WT3000Eは、主にモータやインバータ機器などの消費電力を測るための電力測定器。2004年に発売し、多くのモータ、インバータ機器開発現場で利用されている電力測定器「WT3000」の後継モデルに当たる。
精度を追求
モータやインバータ機器は、高い電力効率が求められていて、モータやインバータ機器の開発現場では、0.1%単位といったわずかな値でも効率を高めるために、さまざまな技術改良が進められている。
こうしたわずかな値での効率改善を図る技術改良は、微妙な調整を繰り返して、最適な電力効率が得られるポイントを探す場合が多い。最も効率の高いポイントを探す上で重要になるのが、機器の電流、電圧、すなわち消費電力を測定する電力計だ。そして、より効率の良い“点”をピンポイントで特定するために、より高い測定精度の電力計が求められている。
WT3000Eは、そうしたモータ/インバータの開発現場の要求に応え、測定精度を徹底的に追求し、これまでも「業界トップクラスの精度を誇ってきた」(同社)というWT3000の電力基本確度±0.06%をさらに±0.04%にまで高めた製品だ。
例えば、50/60Hz正弦波信号、100V、5A、力率1の時、WT3000が500.00Wと表示した場合、誤差範囲は±0.3W。WT3000Eであれば誤差範囲±0.2Wに収まる。わずかな差に思えるが「電力基本確度の0.01%の違いは、機器の効率には10倍程度、すなわちコンマ数パーセントで効いてくる程の差」(説明員)とし、シビアな効率改善が求められるモータ/インバータ機器開発現場に欠かせない電力計としてアピールする。
待機電力測定も便利に、高精度に
WT3000Eは電力基本確度の向上以外にも、より測定しやすくするための新機能も搭載。その1つが、測定範囲0.5A〜30Aの電流入力端子「30Aエレメント」と、同5mA〜2Aの「2Aエレメント」の混載に対応した点。エレメントを付け替えることなく、動作時電力を30Aエレメントで、待機電力を2Aエレメントで測定するといった使い方ができる。なお、位相誤差は約0.017°で、低力率でも高い精度の測定が行え、待機電力測定により強くなっている。
8chオシロでCAN FDのプロトコル解析
横河メータ&インスツルメンツはTECHNO-FRONTIER 2015でWT3000Eの他に、8チャンネル オシロスコープ「DLM4000シリーズ」も展示。最大250Mポイントのロングメモリ搭載などと並ぶ特長である、最大4系統同時シリアルバス解析機能をデモ。このほど、新たにオプション機能として追加した「CAN FD」と「SENT」という2種類の車載シリアル通信プロトコルに対応する解析機能を披露し、取り込んだ信号波形をデコードし、各フィールドの値を色分けして表示する様子などを紹介した。
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