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年功序列廃した“機動力ある1000人体制”で挑む新生サイプレスの国内戦略ビジネスニュース 企業動向(1/2 ページ)

2015年3月にサイプレスとスパンションが合併し誕生した“新生サイプレス・セミコンダクタ”の日本法人(日本サイプレス)社長に旧スパンション日本営業部門担当副社長を務めた長谷川夕也氏が就任し、同年6月2日、会見を行った。

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年齢/性別関係なく、適材適所

 サイプレスとスパンションが合併し誕生した“新生サイプレス・セミコンダクタ”。そのサイプレスの日本でのビジネスの舵(かじ)取り役となる日本法人社長に、ことし35歳という長谷川夕也氏が2015年6月1日付で就任した。

 同月2日に開いた就任会見で長谷川氏は、「(サイプレス日本法人社長は)多くの経験値を必要とするポジション。まだまだ経験値の多い先輩から学ぶべきところは多い」と前置きしながらも「日本では、パフォーマンスの高い人材を適材適所に配置することは難しいが、年齢、性別に関係なく、非常に迅速な経営判断ができるよう強いリーダーシップを持つ人員を各部門のトップに据えていく」と言明。合併まもない新生・サイプレスの国内体制を年功序列のない能力重視の組織として構築していくことを打ち出した。


会見した日本サイプレス社長 長谷川夕也氏

規模の大きい日本の組織

 ただ、長谷川氏が取るサイプレス日本法人の舵は、他の外資系半導体メーカーの日本法人のそれよりも随分と重い。主に、旧スパンションが2013年7月に買収した富士通セミコンダクターのマイコン/アナログ半導体事業部門の流れをくむ技術者約600人を含む、1000人以上の従業員が日本に在籍する。この規模は、他の外資系半導体メーカーの日本法人を大きくしのぐ規模だ。売り上げ面でも、規模が大きい。他の外資系半導体メーカーは全世界売り上げの1割前後、多くても2割程度を日本で売り上げている場合がほとんど。その中で新生サイプレスの国内売上高は、約20億米ドルの全世界売り上げの3割強を占める。

 人員/売り上げ規模が大きく、かつ、日本の企業文化が根付く新生サイプレスの日本法人にあって、「既に年功序列は廃止した」とし新たな組織作りに挑んでいる。

 その上で、長谷川氏は、「1000人という他社をしのぐ大きな従業員規模は、競合の外資系半導体メーカーと差別化できる点。また、日本の売上比率が30%以上あることで、米国のサイプレス本社に比較的大きな声が届く状況にあり、日本の顧客のニーズに応じた製品が提供しやすいという点も強み」とし、日本でのビジネス規模の大きさを大きな武器として捉え、事業拡大に生かす方針だ。

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