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光が表面を散乱せずに伝わるフォトニック結晶を発見、シリコンで実現可能新技術(1/2 ページ)

物質・材料研究機構(NIMS)国際ナノアーキテクトニクス研究拠点(MANA)の古月暁主任研究員らは、フォトニック結晶において光が表面のみを散乱せずに伝わる新しい原理を解明した。このフォトニクス結晶は、シリコンのみで実現することが可能であり、既存の半導体技術との融合により、新機能デバイスの開発につながる可能性を示した。

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 物質・材料研究機構(NIMS)国際ナノアーキテクトニクス研究拠点(MANA)の古月暁主任研究員と呉龍華NIMSジュニア研究員による研究グループは2015年6月、フォトニック結晶において光が表面のみを散乱せずに伝わる新しい原理を解明したと発表した。このフォトニクス結晶は、シリコンのみで実現することが可能だという。

 物質の表面だけに特別な性質が現れる「トポロジカル特性」を持った物質の研究が注目を集めている。トポロジカル特性を持った物質は、表面のみで電子やスピンの流れを制御することができるためで、スピントロニクスや量子計算などへの応用が期待されている。電磁波の透過や屈折を制御するフォトニック結晶においても、トポロジカル特性を備えた結晶の研究が行われている。しかし、これまではトポロジカル特性を有するフォトニック結晶を作成しようとすると、特殊な材料が必要とみられていた。

 研究グループは、絶縁体や半導体の円柱(ナノロッド)が蜂の巣格子に配列されたフォトニック結晶に注目した。これを利用して、特殊な物質や構造の材料を使わずに、絶縁体や半導体のナノロッドの位置を調整するだけで、トポロジカル特性を有するフォトニック結晶を実現できる原理を発見した。


フォトニック結晶の模式図。絶縁体や半導体の円柱(ナノロッド)が蜂の巣格子に並んでいる。上下は電磁波が漏れないように金属で挟んだ 出典:物質・材料研究機構

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