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車載機器向けFPGA事業を強化、ADASにプログラマブルソリューション提供企業動向 ザイリンクス(1/2 ページ)

ザイリンクスは、車載機器向けの事業戦略について、東京都内で記者説明会を開催した。ADAS(先進運転支援システム)などの用途を中心に、All Programmable SoC/MPSoCをベースとしたソリューションを提供していく方針を示した。

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 ザイリンクスは2015年6月23日、車載機器向けの事業戦略について、東京都内で記者説明会を開催した。ADAS(先進運転支援システム)などの用途を中心に、All Programmable SoC/MPSoCをベースとしたソリューションを提供していく方針を示した。

 ザイリンクスは、FPGA/PLD(プログラマブルロジックデバイス)製品で2002年より車載機器分野に本格進出した。2004年からは、単にFPGA/PLDチップを供給するのではなく、組み込みOSや各種IPコアなども含めたソリューションの提供を始めた。同社によれば、車載機器向けFPGA/PLD製品の市場シェアは既に60%以上となり、市場参入以来の出荷総数は2015年に1億ユニットを超える見通しだ。全世界の車載機器向けプロセッサ/ロジックLSI製品のサプライヤーとしても、トップ10の一角を占めるようになった。特に、ADAS向けが大きなけん引車となっている。そのキーワードは「プログラマブルソリューション」だという。


ザイリンクスでオートモーティブマーケティング/製品企画部門のシニアマネージャを務めるケビン田中氏

 ザイリンクスでオートモーティブマーケティング/製品企画部門のシニアマネージャを務めるケビン田中氏は、「従来のASSP製品は内部がブラックボックスとなっていた。これに対してAll Programmable SoC/MPSoCを用いると、顧客側で全体のシステム仕様を決めることができる。特に『機能安全』を考えた場合に、プログラマブルソリューションはより重要になる」と話す。さらに、「ADASやインフォテインメント、ドライバインフォメーションといった用途は、システムの仕様変更や技術革新の著しい分野である。ASSPのようにハードウェアで機能が固定されると柔軟に対応することが難しい」と、ADAS向けでFPGA/PLD製品の需要が拡大している理由を付け加えた。

 同社は、車載機器向けFPGA/PLD製品として、車載用ICの品質規格「AEC-Q100」に対応した「XAファミリ」を展開する。日本を含め世界的な自動車OEMメーカーやTier1などにヒアリングして、世界中で最も厳しいテスト項目を独自に設定するなど、AEC-Q100よりさらに厳しい要件でデバイスの品質評価を行っているという。XAファミリとしては、28nmプロセス技術を用いたZynq/Artixを始め、6つのテクノロジ製品を用意して供給している。

ターゲットは「ADAS」「IVI」「DI」

 ザイリンクスが車載機器分野で、特に注力している用途が「ADAS」「IVI(インフォテインメント)」「DI(ドライバインフォメーション)」の3領域である。この中でもADAS市場に期待している。田中氏は、「ADAS市場は2017年に180億米ドルとなり、2012年から2017年までの年平均成長率は20%以上になると予測されている」と述べた。ADASの普及によって自動車は半自動/自動運転へと進化するとともに、あらゆるカテゴリの車種に搭載される可能性が高い。そのために、「自動車OEMメーカーは、ローエンドからハイエンドまでのADASに対応できるよう、柔軟性と拡張性に優れたプラットフォームを要求している」(田中氏)と語る。


高度化するADASの機能と、それに対応するザイリンクス製品のロードマップ (クリックで拡大) 出典:ザイリンクス

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