通信の高速化と電力効率向上トレンドに追従、オシロは汎用より用途特化へ:キーパーソンに聞く、テクトロニクスの製品戦略(2/3 ページ)
テクトロニクスは、通信の高速化や電力効率の向上などに向けたテストソリューションの提供に注力している。これを実現していくために、技術革新とカスタマーフォーカスを重視した製品戦略を強化する。
ベーシックから高性能まで
EE Times Japan 具体的にどのような取り組みを行っていますか。
Thompson氏 テクトロニクスとしては、「電力効率」、「高速通信」、「ワイヤレスエブリウエア」、「自動車」などをキーワードとして、電子計測事業を展開している。基本的にはベーシック製品から高性能製品まで、全ての製品領域で、市場の変化に対応できるテストソリューションの提供に取り組んでいる。
そのために、顧客に密着してニーズを取り込み、そのニーズに合わせて当社が保有する技術要素を組み込んだ製品を開発し、顧客に対して最適なソリューションを提供していくことが重要だと考えている。電子測定器の市場においては、技術革新こそが新たな市場を切りひらいていくためのカギとなる。技術開発への投資を継続的に行っていくことで、競合他社との差異化を図っていきたい。
Reich氏 日本には技術を先導するキーカスタマーが多い。これらカスタマーの声を聴くことが大切だ。その上で、当社の技術ロードマップとのマッチングを行い、顧客の製品開発を支援していくためのテストソリューションを提供していきたい。
USB3.1対応を強化中
EE Times Japan 具体的にどのようなテストソリューションを提供していますか。
Reich氏 例えば、USB3.1の統合コンプライアンス・ソリューションがある。USB3.1/2.0のテスト機能に加えて、10Gビット/秒のデータレートをサポートするUSB3.1レシーバテスト、USB PD(PowerDelivery)テスト、USB Type-Cケーブルテストなどを含んだソリューションとなる。
今後は、さまざまなベンダーからUSB3.1対応製品が登場してくることが想定される。その際に相互接続を確実なものにすることが重要だ。当社のテストソリューションを活用することで、システム設計者は複雑なUSB3.1のコンプライアンステストの負荷を軽減することができる。万が一、設計上の不具合が発生しても、テストシステムがその原因を即座に発見し追求してくれるため、その対策も迅速に行うことができる。USB3.1のコンプライアンステストに関する引き合いは活発になってきた。USB3.1に対するテストソリューションについては、これからも継続して提供していく。
MIPI C-PHY TXテストソリューションも最近発表した。業界で初めてとなるオシロスコープベースのソリューションである。MIPI C-PHY物理レイヤーのトランスミッタの特性評価やデバッグを行うことができる。
EE Times Japan テストソリューションを活用することで、顧客はどのようなメリットが得られますか。
Reich氏 開発したシステムの検証や解析、評価作業を迅速に行え、システムの改良・改善も速やかに行うことができる。テストに必要な時間を短縮し、設計上の不具合を早期に発見することは、顧客の製品開発におけるタイムツーマーケットをサポートすることにつながると考えている。
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