堅調なシャオミ、スマホ戦略のその先は?:Xiaomi 社長 Bin Lin氏 インタビュー(2/5 ページ)
設立からわずか4年で世界第3位のスマートフォンメーカーとなったXiaomi(シャオミ)。だが、競争が激しい同市場だけにいつまでも頼っているわけにはいかないだろう。それを見越してなのか、Xiaomiはさまざまな企業に投資し、大規模なエコシステムを構築している。
スマートフォンへの注力
Lin氏はEE timesに対し、「Xiaomi設立時のビジネスモデルはシンプルなものだった。非常に使い勝手が良く、コストパフォーマンスが極めて高いAndroidベースの製品だけを作ろうとしていた」と語った。
設立して1年半たったころ、Xiaomiは製品ラインアップにスマートTVを加えることを決めた。Xiaomiは、電子書籍リーダーのアプリを手掛けていたDuocanを買収することで、スマートTVを発表している。DuocanのCEOだったChuan Wang氏は、8人目の経営陣としてXiaomiに加わった。Wang氏はチームを率いて、2013年に「Mi TV」と「Mi Box」を開発・発売している。
Duokanの買収はうまくいったが、これは何度も繰り返すことができるビジネスモデルなのだろうか? 答えは簡単だ。「そうとは限らない」である。
Lin氏は、異なる製品分野に移行する中で「手を広げ過ぎたくなかった」とEE timesに語った。「スマートフォンは非常に過酷な競争を強いられる市場だ」(同氏)。
では、どう対応していくつもりなのだろうか。
Lin氏はこの問いに対し、「既に十分な経験を積んだチームを持っている企業や新興企業を見極める必要がある。特定の技術/製品開発について精通した開発チーム(または技術者)を有していることが不可欠だ」と答えている。
少額の投資で、少数株主に
Xiaomiは通常、デューデリジェンス(適正価格の評価)を行ってから少額の投資を行い、少数株主となる。Lin氏は、「われわれの投資対象となった企業は、自社株式の大半を保持し続ける。そのため、自社の“運命”に対して、引き続き責任を負うことになる」と説明する。
また同氏は、「当社は、こうした取引を非排他的に行い、極めてオープンかつ正直な姿勢で取り組む。このため、投資対象となる企業が同じ市場の競合企業同士だったとしても、それぞれに投資する場合もあり得る」と主張した。
Lin氏は、「そのいい例として挙げられるのが、米国のウェアラブル関連の新興企業であるMisfitと中国Huamiへの投資ではないだろうか」と述べる。いずれも、リストバンド型スマート機器(スマートバンド)の開発メーカーだ。Xiaomiのフィットネスリストバンド「Mi Band」は、Huamiが開発を手掛けた製品で、中国国内で幅広い人気を得ている。その一方で、Xiaomiは2014年12月に他の中国メーカーと共同でMisfitに4億米ドルの資金を投じている。
Xioamiは、非排他的に取引を行うことにより、機敏かつ柔軟にリスクを分散させているといえる。
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