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技術の「染み出し」が武器に、圧倒的な製造力で勝負するアルプス電気電子部品に徹して60年超(1/4 ページ)

アルプス電気は、長年かけて培った技術を市場に合わせて改善するという“技術の染み出し”によって発展してきた。高品質な製品を圧倒的な量で製造することを得意とする同社だが、反対にそれが弱みになることもあるという。アルプス電気の製品開発の歴史を紹介する資料館「ALPS MUSEUM 未来工房」からは、アマチュアラジオ愛好家に人気を博したエアバリコンやプリンタなど、懐かしい電子部品を紹介しよう。

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 電子部品に徹して60年超――。総合電子部品メーカーのアルプス電気は、多数の電子部品を自動車や家電、産業機器といった分野に提供している。スイッチから、センサー、microSIMカード用コネクタ、Bluetooth通信モジュールまで、電子部品を幅広く手掛けていて、提供している製品は約4万点に上る。

電子部品を手掛けて60年以上

 アルプス電気は1948年に創立された。従業員は連結企業も合わせて3万7000人に及ぶ。アルプスグループ全体としては、電子部品事業を行う同社に加えて、車載情報機器を扱うアルパイン、物流事業を行うアルプス物流がある。「セットメーカーの子会社に電子部品を扱うメーカーがある」のではなく、「セットメーカーであるアルパインが、電子部品を手掛けるアルプス電気の子会社」という点がユニークだ。

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アルプス電気のあゆみ。テレビチューナ、タクトスイッチ、液晶ディスプレイなど、それぞれの時期における主要製品が分かる (クリックで拡大) 出典:アルプス電気株式会社

 2015年3月期の連結売上高は7486億円。その中で、アルプス電気の売上高は52%と半分以上を占めている。また、海外売上高は7割を超える。

 市場別にみると、スマートフォン市場が拡大する一方で、家電市場は下がり気味だという。そのため、この30年で車載機器の売上高が全体の半分を占めるようになった。

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アルプス電気の2015年3月期の業績 (クリックで拡大) 出典:アルプス電気

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