STマイクロがCortex-M7コア搭載マイコンを量産――「業界初」:マイコン Cortex-M7コア(1/2 ページ)
STマイクロエレクトロニクスは、ARM Cortex-M7コアを搭載したマイコン「STM32F7」の量産を始めた。「Cortex-M7コア搭載マイコンを量産するのは業界初」と同社は主張する。
IoT向け
STマイクロエレクトロニクスは2015年7月、ARM Cortex-M7コアを搭載したマイコン「STM32F7」の量産を始めたと発表した。「Cortex-M7コア搭載マイコンを量産するのは業界初」と同社は主張する。
STM32F7は、Cortex-M7コアと先進のペリフェラル機能を搭載している。これにより、機器の性能向上や機能強化、バッテリによる長時間駆動、セキュリティの確保、外付け部品の削減による小型化とコスト低減などを可能とする。高機能な民生機器や産業機器、医療機器、IoT機器などの用途に向ける。
デジタル信号処理能力がM4比、約2倍
STM32F7のアーキテクチャや製品概要については、すでに発表している(ARM Cortex-M7コア搭載、STの32ビットマイコン)。Cortex-M4コアを搭載した従来製品に比べて、デジタル信号処理能力を約2倍に向上した。しかもCortex-M7コアは、Cortex-Mコアファミリでは初めてオンチップキャッシュを採用しており、実行処理速度が速く、内蔵しているフラッシュメモリや外部メモリとも高速でデータ転送が可能である。
STM32F7は、Cortex-M7コアを採用したことで、STM32 ファミリでサポートしてきたペリフェラル機能もさらに強化されることになった。例えば、USB OTG(On The Go)ペリフェラル専用の電源レールが、1.8Vという低電圧動作時でもUSB接続は可能だという。また、多くのペリフェラルがデュアルクロックドメインとなっている。このため、CPUコアの動作周波数を落としても、通信ペリフェラルのクロック周波数に影響を与えないため、状況に応じてチップ全体の消費電力を最小限に抑えることができる。
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