「Windows 10」もPC市場の低迷を救えず?:買い替えサイクルの促進は期待できない(2/2 ページ)
2015年7月29日に正式にリリースされる「Windows 10」。従来、OSのアップグレードは、大量のPCの買い替えサイクルを促してきた。だが、「そのような時代は過ぎた」とするアナリストもいる。
無償アップグレードが障壁に?
Windows 10がPCの買い替えサイクルを大きく促進しない理由の1つとして、従来バージョンのOSとは異なり、MicrosoftがWindowsの従来バージョンからWindows 10に無償でアップグレードするサービス(条件付きだが)を提供していることがある。
アナリストらは、2015年8月〜9月にかけて発表される予定のSkylakeとWindows 10は、PCの出荷を後押しするとは考えているようだ。だが、Stice氏の言葉を借りれば、「2015年前半の不振によってさらなる低迷に追い込まれたPC市場を救うには十分ではない」という。
注目を集めることはできる
IDCのLoverde氏はEE Timesに対し、「当社は、2015年下半期中にPC出荷台数が1桁台前半から半ばのパーセンテージで減少し、その後安定するという予測を維持している」と話した。「Windows 10は比較的うまくいきそうな気配はあるが、多くのユーザーは、新しいPCを購入するよりも、無償アップグレードの方を選ぶだろう」(同氏)。
ただ、Stice氏は、PC出荷台数は通常、上半期よりも下半期の方が増加する点に注目している。新学期の始まりや年末商戦といった要素があるからだ。それに合わせて、MicrosoftやPCメーカーがキャンペーンを行い、Windows 10搭載PCの出荷を後押しするとみている。「Windows 10によって大量のPC買い替えが発生するわけではないと思われるが、多くの注目を集めることにはなるだろう」(同氏)。
【翻訳:青山麻由子、編集:EE Times Japan】
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