半導体の売上高成長率、今後2年は下落傾向に:IoTには、けん引力が足りない?(2/3 ページ)
Gartnerの予測によると、半導体の世界売上高の成長率は、2015年と2016年の2年間は、下落傾向になりそうだ。ウェアラブル機器を含むIoT市場は順調に成長するものの、ハードウェアに搭載される半導体の量が少ないため、大きなけん引力とはならない可能性がある。
IoT市場では8ビット/16ビットマイコンが成長へ
IoT向け半導体は、2020年には435億米ドルに達する見込みだ。しかしこれは、同年の半導体市場全体の売上高が4000億米ドル規模となるのに対し、そのわずか10%を上回る程度に過ぎない。IoT市場は、可能な限りコストを削減しているため、半導体チップの“最大の貢献者”にはならないようだ。
Gartnerでアナリストを務めるDean Freeman氏は、「IoT市場ではまず、8ビット/16ビットマイコンが大きな成長を遂げるとみられる」と述べる。
Appleのスマートウオッチ「Apple Watch」などのウェアラブル機器は、現在は大々的に宣伝されているものの、将来的には、その注目度の高さと実際の売上高の間には相当開きが出てきそうだ。GartnerのアナリストであるMichelle Reitz氏は、「最新のウェアラブル機器は現在、急成長を遂げているが、それに搭載される半導体の量はごくわずかだ。このため、2019年の半導体売上高全体に占めるウェアラブル機器向けチップの割合は、最大でもわずか1%程度にとどまるとみられる」と述べている。
2019年におけるウェアラブル機器の出荷台数は、5億台に達する見込みだが、機器本体に搭載される半導体はごくわずかだろう。Reitz氏は、「ウェアラブル機器の価値は、ハードウェアではなく、提供するサービスにある」と指摘する。
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