アルプス電気、MEMS方式の小型フォースセンサー:0.01Nレベルの小さな応力から検出が可能
アルプス電気は2015年8月、MEMS方式で0.01Nレベルの応力から検出可能な小型フォースセンサー「HSFPARシリーズ」の量産を開始したと発表した。タッチペン(スタイラスペン)やタッチパネルなどのインプットデバイスの圧力検知やロボットの姿勢制御などに適しているという。
IoTやロボット市場での需要増加
アルプス電気は2015年8月、MEMS方式のフォースセンサー「HSFPARシリーズ」の量産を開始したと発表した。独自の技術で小型かつ高感度検知を実現し、タッチペン(スタイラスペン)やタッチパネルなどのインプットデバイスの圧力検知やロボットの姿勢制御などに適しているという。
フォースセンサーは、需要が増えているデジタル端末に使用するタッチペン(スタイラスペン)やタッチパネルなどのインプットデバイスに搭載されている。ペン先の軌道を捉え、筆圧に応じた太さを表現するために搭載しているが、高機能なほどペン軸が太くなるといった課題があった。
IoTやロボット市場では、接触時の荷重検知、バランスや握力の制御をするために、小型で高感度なフォースセンサーの需要が増えていくという。
0.01Nレベルの応力から検出可能
フォースセンサーは、半導体歪み抵抗素子と、金属歪み抵抗素子を用いた2種類のセンシング方式がある。しかし、半導体歪み抵抗素子のフォースセンサーは高感度だがサイズが大きく、金属歪み抵抗素子のフォースセンサーは感度が低いという課題があった。
HSFPARシリーズは、半導体歪み抵抗素子を用いながら、独自のMEMS技術とパッケージング技術で小型かつ高感度なフォースセンサーを実現。サイズは、縦2.00mm×横1.60mm×高さ0.66mm(表面実装タイプ)と小型低背化し、0.01Nレベルの応力から検出が可能である。耐用100万回の長寿命といった特長も持つ。これにより、細かい筆圧の変化やロボットの荷重移動などで、高精度な検知ができるという。
HSFPARシリーズは、表面実装タイプに加えて、取り扱いが容易なFPC(Flexible printed circuits)付きのユニットタイプをラインアップ。2015年6月より量産を開始し、サンプル価格は表面実装タイプが810円(税込)、ユニットタイプが1350円(税込)としている。
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