ニュース
ルネサス、車載カメラ映像を高速圧縮するSoC:Ethernet AVBでもリアルタイム伝送!(2/2 ページ)
ルネサス エレクトロニクスは車載カメラネットワーク用SoC「R-Car T2」を開発したと発表した。Ethernet AVBに準拠し、独自に開発したH.264エンコーダで映像を高速に圧縮することによって、1280×960ピクセルのHD映像を1ms以下の遅延で出力できるという。
小型化と低消費電力も実現
R-Car T2は、低消費電力と小型化も実現。消費電力は、I/O(input/output)含めて、40mW(Typ.)となり、「他社製品と比べて約1/5の省電力となり、密閉された空間でも、デバイスから発生する熱を低減する」(ルネサス)と語る。6mm角の小型パッケージとなっており、小型の車載カメラモジュールに実装可能だ。
2015年9月9日よりサンプル出荷を開始し、サンプル価格は2000円/個。2016年12月から量産を開始し、2017年に9月までに月産50万個の出荷を計画している。
デモの様子を動画で紹介
発表会では、デモカーによるLVDSカメラとイーサネットワークカメラの遅延比較が行われた。下記の映像を見ても分かる通り、目視ではLVDSカメラとイーサネットカメラによる映像のズレは見られないことが分かる。
動画が取得できませんでした
両カメラともに、スロットカーの走るコースに引かれた赤いラインの部分で映らなくなるように配置。タブレット上に並べて表示(片方の映像はミラー反転処理を実施)し、画面中央でLVDSカメラ映像と同じタイミングでスロットカーの姿が消え、遅延がないことをアピールした。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- ルネサスが語る、クルマを安全に制御する車載マイコンの“技術の四隅”
ルネサス エレクトロニクスが、自動運転を視野に入れた運転支援システム向けに開発した車載マイコン「RH850/P1x-Cシリーズ」は、同社が「車載マイコンの技術の四隅」と呼ぶ、クルマを安全に制御する4つの技術課題をクリアしている。 - ルネサスの車載情報機器向けSoC、第3世代「R-Car」は16nmプロセス、最大8コアに
ルネサス エレクトロニクスはドイツ ミュンヘンで開催中の「electronica 2014」(2014年11月11〜14日)で、車載情報機器向けSoC「R-Car」など車載向け半導体の展示を行うとともに、次世代の「第3世代R-Car」製品に16nmプロセスを採用し、最大8つのCPUコアを搭載する方針を明かした。 - ルネサスが次世代サラウンドビュー向けSoCを開発、全方位をリアルタイムで認識
ルネサス エレクトロニクスは、次世代サラウンドビュー向けSoC(System on Chip)「R-Car V2H」を開発した。同社の車載情報機器向けSoC「R-Carファミリ」の技術を応用し、先進運転支援システム(ADAS)向けに展開する製品群の第1弾となる。 - ルネサス、統合コックピット向けソリューションでカーナビ用SoC「シェア75%維持目指す」
ルネサス エレクトロニクスは車載情報機器向けSoC「R-Car」の第2世代シリーズのミッドレンジ向け製品「R-Car M2」を発表した。同SoCは、パートナーとの連携を図りながら、ソフトウェアやツール類と組み合わせた提案を行い拡販する方針。現状、「ナビゲーション向けSoCで世界シェア75%」(同社)というポジションの維持を狙う。