日本で得た知見を世界へ、5Gでもけん引役を狙う:エリクソン・ジャパン 社長 Mikael Eriksson氏、野崎哲氏(1/4 ページ)
3Gや4G(LTE)など、常に最先端の通信技術を導入してきた日本。2020年の東京五輪で5Gの一部商用化も期待されている。エリクソン・ジャパン社長のMikael Eriksson氏と野崎哲氏は、通信業界における日本市場の重要性を指摘し、日本で得られる知見を世界に生かしていきたいと強調する。
Ericssonの日本法人であるエリクソン・ジャパンでは、2015年8月3日付で、代表取締役社長にマイケル・エリクソン(Mikael Eriksson)氏が就任した。2014年2月から代表取締役社長に就いている野崎哲(のざき・とおる)氏とともに、二人三脚で同社を率いていく。
エリクソン・ジャパンは2015年9月14日、同社の最新製品やそれらのデモを紹介する「Networked Society Day」を都内で開催した*)。
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Networked Society Dayで行われた記者説明会では、まずエリクソン氏が、Ericsson本社の成長戦略を紹介した。中核事業として無線、コアネットワーク、テレコムサービスに注力しつつ、IPネットワークやクラウド、輸送やヘルスケアなどを含む「インダストリー&社会」関連の事業にも力を入れていく。
“日本から世界へ”
エリクソン・ジャパンの重点分野については野崎氏が説明した。日本ではモビリティ、クラウド、M2M/IoTの3つをターゲット分野として挙げている。クラウドについては、商用化に向けた仮想化ネットワークへの取り組みを強化していく。「災害に強い堅ろうなネットワークをクラウドで実現できれば、社会にも貢献できる」(同氏)。
特に、同社の貢献が期待できるのが、2020年の東京オリンピックでのネットワークインフラである。オリンピックなど、世界的なイベントでは、アップリンクが多くなるという、普段とは異なるトラフィック現象が起こる。競技場などで撮影した動画や画像を、ユーザーが次々とSNSなどに投稿するからだ。野崎氏によれば、Ericssonは、15年以上にわたり、こうした膨大な量のデータ通信をやり取りするネットワークを支えてきたという。直近でいえば、ブラジルで開催された2014 FIFAワールドカップでは、スタジアムや空港、主催者施設などで使われるネットワークに、Ericssonの製品が採用された。野崎氏は、こうした実績を基に培ってきた技術を、2020年のオリンピックでも生かしたいと強調している。
反対に、“日本から世界へ”も念頭に置き、5Gなどを含め日本で得た知見を世界市場にも生かすことにも力を入れる。野崎氏は、「特に、東京の山手線内や新宿駅などにおけるトラフィックをいかに効率的にネットワーク側で対応しているか。こういった経験は、非常に大きな蓄積として他の国に展開できると考えている」と語った。
こうしたエリクソン・ジャパンの方針を踏まえ、社長に就任したばかりのエリクソン氏と、野崎氏に、通信業界における日本市場の重要性や、5Gに対する同社の立ち位置などを聞いた。
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