部分痩せは可能なのか? (後編):世界を「数字」で回してみよう(20) ダイエット(8/9 ページ)
後編では、「部分痩せ」について、かなり突っ込んだ検証をしてみたいと思います。そもそも、体のある特定の部位だけ、『脂肪の増加方向と減少方向に異なる加速度が生じる』ことがあり得るのでしょうか。今回はこれについて、数字を回しまくってみました。
付録1:「部分増し」について
このコラムでは、部分痩せは不可能であると結論付けていますが、「バストの部分増し」は、理屈では可能だと考えています。
バストとは、つまるところ「胸を含む体の周囲の長さ」のことです。そして乳房の部分には筋肉がなく、ほとんど脂肪だけで構成されています。ならば、乳房ではなく、乳房を載せる土台の方を、後発的に大きくすれば良いのです。
しかし、自分の意思で骨の形を変化させるのは不可能と思いますので、筋肉を増強させることになると思います。
でも、正面のバストの部分だけの筋肉を増やすって……一体、どうやって? 腕や脚は可動部(アクチュエータ)ですから可能だとしても、胸の部分はどうみても稼働可能な部位とは思えません(ウエストとかヒップなら、可動部と言えそうですが)。
ネットでいろいろ探してみたのですが、私を納得させるような方法は見つけられませんでした(だから、「胸を大きくする方法」を論じている著者は、『○○運動』だけでなく、そのメカニズムと数値データを ―― 私が、連載当初からずっーと言い続けていることですが ―― 私に分かるように、示してください)。
私が思い付いた「部分増し」の方法は、これくらいです。
「腕立て伏せで、大胸筋を大きくする」
付録2:「女性のヒップへの興味のなさ」について
前編で、私は、女性の「ヒップへの関心の低さ」指摘していました。これについて簡単に考察してみます。
(江端の考察)
まず、本コラムの推論によれば、バスト、ウエストには、それぞれブラジャー、スカートという、日常的な測定ツールがあるのに対して、ヒップにはこのような代表的なツールが存在しない、ということが考えられます。
スカートは、ヒップの測定ツールにもなっているとは思うのですが、その前に「ウエスト」でアラートを上がるので、ヒップの測定ツールとしては認識されにくい、と考えています。
(編集担当Mさんの考察)
「自分で見えにくい部分だから」というのもあるのかなあ……と思いました。
お腹や胸が、自分の目ですぐに確認しやすいのに対して、お尻って鏡に全身をうつしたりしない限り、確認しにくいので……。
(後輩の考察)
単に国民性や文化の違いでしょう。
例えば、ブラジルでは、ヒップへの興味が抜きん出ていると言われています。
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