“設計の自由”を抑圧しないガイドラインが必要:VWの排ガス不正(1/2 ページ)
Volkswagen(VW:フォルクスワーゲン)の排ガス不正問題について、事態は混乱の一途をたどっている。一連の問題は、Volkswagenだけでなく規制機関、医療機関など多くの分野にまでその影響が波及する可能性がある。
Volkswagen(フォルクスワーゲン)の排ガス規制に対する不正行為が発覚して以降、事態は混乱の一途をたどっている。これだけの規模の不正が起こると、世界中でさまざまな規制が策定され、法律が施行される可能性もあるだろう。
Volkswagenは2008年に新世代のディーゼル車を発売した。著者の義父はTexaco Researchでディーゼル燃料の主任研究員を務めていたが、彼は、このスマートディーゼルが大量の洗浄剤や触媒化学物質(通常は尿素を使う)を必要としないことに驚いていた。だが義父は、「いずれにせよ、ディーゼル車は買わない」と言っていた。彼はディーゼル車が放出する有害な窒化物について熟知していて、「家族には絶対にディーゼル車を使わせたくない」と話していた。
世界的な自動車メーカーが(緩い)テスト基準に違反したのはこれが初めてのことではない。GM(General Motors)は、1970年代と1990年代に違反を犯している。トラック輸送ディーゼル業界は17年前に違反を犯し、10億米ドル以上の罰金を科せられた。現時点で分かっている限りでは、他のディーゼル車メーカーは、Volkswagenが今回認めたのと同じ違反を犯してはいないようだ。だが、この記事を書いている間にも、この一文を撤回する必要が生じるかもしれない。
現時点で分かっていることは少ない。排ガス規制に違反したVolkswagen/Audi車は、米国で48万2000台、全世界では1100万台に上るという。
これらの車が許容レベルの40倍の窒素酸化物(NOx)を排出したという報道もある。窒素酸化物と水が結合すると、植物や動物、人間などにとって有害な硝酸が発生する。Volkswagenの不正はおそらく、2009年モデルの車から始まり現在に至っているのだろう。罰金は米国だけで180億米ドルに達する可能性があるとの見方もある。
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