Intelの7〜9月業績、サーバ向けとメモリは好調:設備投資額は今期4度目の下方修正(1/2 ページ)
Intelは2015年10月13日(米国時間)、2015年第3四半期(7〜9月期)業績を発表した。PC向け事業は不振だったものの、サーバ向けやメモリ事業が好調で、前四半期比約10%の増収を記録した。ただ、今期の設備投資額については、4億米ドル下方修正した。
PCの不振続くも、他事業でカバー
Intelは2015年10月13日(米国時間)、2015年第3四半期(7〜9月期)の売上高が前四半期10%増、前年同期比では横ばいとなる145億米ドルであったことを発表した。純利益は前四半期比15%増の31億米ドルだが、前年同期比では6%下落した。データセンター、不揮発性メモリ、モノのインターネット(IoT)事業の成長がクライアントコンピューティング部門での減収を相殺する形となった。
CEOのBrian Krzanich氏は、プレスリリースの中で、「われわれは2015年第3四半期に首尾よく事業を展開し、変化する経済環境の中で好業績を収めた」と述べた。さらに同氏は、Intelの第6世代Coreプロセッサと3D XPoint技術が顧客の興味を駆り立てたと述べた。
これとは別に、Intelは今期の設備投資予算を4億米ドル削減して73億米ドルにまで縮小した。今期4度目の削減となる。CFOのStacy Smith氏は今期の大幅な削減後、(来期以降の)設備投資予算を増加する見込みであるとした。
Smith氏は、設備投資予算を削減した理由について、Intelが「購入を予定していた設備のうち、特定の要素のコンフィギュレーションをアップグレードした」ことと、引き渡しの時期を2016年初めにずらしたことを挙げた。
2015年第3四半期 | 2014年第3四半期 | 対2014年第3四半期比 | |
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売上高 | 145億ドル | 146億ドル | ほぼ同等 |
粗利益率 | 63.0% | 65.0% | 2.0ポイント低下 |
研究開発費と販管費計 | 48億ドル | 48億ドル | 同等 |
営業利益 | 42億ドル | 45億ドル | 8%減少 |
実効税率 | 26.9% | 27.1% | 0.2ポイント低下 |
純利益 | 31億ドル | 33億ドル | 6%減少 |
1株当り利益 | 64セント | 66セント | 3%減少 |
2015年第3四半期 | 2015年第2四半期 | 対2015年第2四半期比 | |
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売上高 | 145億ドル | 132億ドル | 10%増加 |
粗利益率 | 63.0% | 62.5% | 0.5ポイント上昇 |
研究開発費と販管費計 | 48億ドル | 50億ドル | 4%減少 |
営業利益 | 42億ドル | 29億ドル | 45%増加 |
実効税率 | 26.9% | 9.3% | 17.6ポイント上昇 |
純利益 | 31億ドル | 27億ドル | 15%増加 |
1株当り利益 | 64セント | 55セント | 16%増加 |
10〜12月は7〜9月比で微増収を計画
2015年第4四半期売上高については、第3四半期比2%増の148億米ドルになると見込んでいる。メモリやIoT、データセンター部門が、不調なPC事業を補うという今期のトレンドが継続するとみられる。
また、Krzanich氏はファウンドリ事業が徐々に成長すると予測している。
同氏は「ファウンドリが成長事業であることに変わりはない。今後数年間は、目立った変化を大きくもたらす事業の1つにはならないだろうが、ファウンドリ事業から継続的な成長と顧客の獲得を見込めると考えている」と述べた。
好調なデータセンターとメモリで相乗効果も
Intelは第3四半期売上高の40%をデータセンター向け事業とメモリ事業から得ている。メモリ事業は前年同期比で20%も伸び、多大なキャッシュを生み出した。データセンター部門の売上高は同年前期比で8%増、前年同期比では12%増となる41億米ドルだった。
Krzanich氏は「不揮発性メモリ事業はわれわれにとって非常に良く、予想より高い率で成長した」と述べた上で、Intelの企業向けSSDの80%以上がデータセンターで利用されていることに言及した。さらに同氏は「われわれは当社のNANDメモリ事業とデータセンター事業が非常に緊密に結び付きあっていると考えている」と述べた。
Intelは、新たな不揮発性メモリ「3D XPoint」がモバイルやIoTなどデータセンター以外の用途にも採用されることで、引き続き同社のメモリ部門をけん引すると見込んでいる。Smith氏はデータセンターにおけるIntel製品の採用数を増やすことになる製品として、FPGAとシリコンフォトニクスを挙げた。
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