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ダイエットの目的は…… 結局、ダイエット!?世界を「数字」で回してみよう(21) ダイエット(6/7 ページ)

今回は、基本的な疑問「人はなぜダイエットをするのか」に立ち戻り、ある仮説を立ててみました。しかし、それを数値的に検証すればするほど、出口のない無限ループにはまり込み、まるで禅問答と向き合っている状態に陥ってしまったのです。

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まとめ

 では、今回の内容をまとめます。

【1】「モテたい」という気持ちをもっている人は、男女共に同じくらいの比率である(76%)。

【2】「モテたい」と思っている人は、ダイエットに強い興味がある、または、現在ダイエットを実施中である。

【3】ところが、美容目的でダイエットをしている人の全てが、「モテたい」と考えている訳ではなく、単に、「美容のためだけ」にダイエットをしている人もいる。

【4】そこで、上記の「【3】」を拡張して、「ダイエットをしている人の多くは、『ダイエットのためにダイエットをしている』」という仮説を打ち立ててみた。この仮説に因れば、ダイエットが初日で挫折する理由や、同じ内容のダイエット本が繰り返し出版される理由が説明可能となる。

【5】上記の仮説を補強するために、アンケート結果とベイズ推論を使って「ダイエットの失敗を他人の責任にする人」が、「その失敗を他人に開示しない」という傾向があることを示した。


 冒頭の、江端家のリビングでの会話に戻ります。

長女:「『ダイエットのためにダイエットをしている』ってことは、『ダイエットが、楽しくてやっている』ということ?」

江端:「それなら、ダイエットの目的は『娯楽』ということで一件落着だよ。しかし、『あたし、楽しくダイエットやっていまーす!!』なんてコメントは一つもなかった」

長女:「じゃあ、何のために?」

江端:「だから『ダイエットのため』だよ。ごまかしたい訳でも、禅問答をしたい訳じゃなく、本当にこの通りの話で、うそ偽りなく、パパには『訳が分からない』んだよ」

長女:「もしかして、パパは『みんな、理由もなくダイエットしている』って思っているんじゃないの?」

江端:「正直に言うと、それが最もしっくりくる。どうしても「動機」を提示しろ、言われれば『イデア論』くらいしか思い浮ばない」

長女:「イデア……、『自分の内なる理想を追い求める想い』……だったっけ?」

江端:「そうそう、それ。イデアは、しょせんは抽象的なイメージで、しかもノルマもない。そんなイデアだから、ダイエット中の空腹感だけで、簡単に壊れる」

長女:「イデア、弱っ!

江端:「そう。イデアが弱いからこそ、ダイエットの市場は回り続ける。ダイエットの挫折と忘却を繰り返しながら」


 さて、今回の「ダイエットの目的」の検討にて、これまでメインで行ってきた「心理面」からのダイエット検討を、ひとまず一区切りしたいと思います。

 来月からは、完全エンジニアモードに切り替え、人体をシステムとして把握するダイエットの検討を開始します。

 次回からの検討で使用する、検証システムの名称は「江端智一」です。

 これからは、どのダイエット本もやっていない、「江端智一」と「江端家」という現実の人体システムを使い、そのダイエットデータや、連続系シミュレーションソフトウェアなどを駆使して、徹底的な「数理ダイエット論」を検討していく予定です。

今後の検討事項(予定)

 私は、既に「リバウンド」「停滞期」などに関しての数値検討を開始しております。例えば、ダイエット本で乱用されている「リバウンド」などという現象が、現実には存在しないことを突き止めています。

 人間の体はシステムです。

 システムである以上、必ず制御できます。

 もし、あなたがエンジニアであり、人体という制御システムを理解可能であれば、「ダイエット」という制御方法で、自分の体(体重など)をコントロールすることは ―― 造作もないことのはずです

謝辞

 今回のデータ解析では、NTTデータ 数理システム様よりお借りしているベイジアンネットワーク構築ツール「BAYONET」を使わせていただきました。この場を借りて、御礼申し上げます。


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