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ウェアラブル指紋認証はパスワードを無くすのか必要なリテラシーは、触ってかざすだけ(1/2 ページ)

ディー・ディー・エスは、パスワードレスで個人認証を可能にするウェアラブル指紋認証機器「magatama」を開発したと発表した。勾玉の形をするmagatamaで指紋認証を行い、対応する機器にかざすことでWebサービスのログインやオンライン決済、スマートキーの解錠ができるという。

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 指紋認証などのセキュリティ製品を提供するディー・ディー・エスは2015年10月27日、パスワードレスで認証を可能にするウェアラブル指紋認証機器「magatama」を開発したと発表した。magatamaで指紋認証を行い、対応する機器にかざすことでWebサービスのログインやオンライン決済、スマートキーの解錠などができるという。わざわざ、スマートフォンや鍵を取り出したり、ID/パスワードを入力する必要がなくなる。

 magatamaのサイズは直径31.0mm、厚さ9.0mmとなっている。重さは電池込みで9.8g。電源は、コイン型リチウム電池を搭載し、通常利用で約1年もつ。2015年11月末よりNFCタグに対応したプロトタイプの出荷を開始。2016年にはFelicaとNFC(Type-A,B)に対応したものを世界同時で発売するという。2017年には、MEMSセンサーを搭載し、ヘルスケア用途や多機能化を行った製品を展開するとしている。


ウェアラブル指紋認証機器「magatama」。magatamaと名付けたのは、勾玉のよう普遍的な存在になってほしいという思いが込められているという (クリックで拡大)

世界で注目されるFIDO認証に準拠

 同社の社長である三吉野健滋氏は、「magatamaに必要なリテラシーは、触ってかざすだけ」と語る。その主な機能は生体認証と無線通信である。指紋認証は、PKI(Public Key Infrastructure:公開鍵暗号方式)と生体認証などの技術を利用したオンライン認証方式「FIDO」(ファイド)に準拠した。スマートフォンとのペアリングにはBluetooth Low Energy(BLE)、外部端末とはNFCで通信を行える。交通系カードや電子マネー、免許証、マイナンバーカードも“かざすだけ”で各種サービスを利用できるという。

 システムの流れとしては、magatamaからBLEを通じてスマートフォンに指紋データが送られ、スマートフォン上で認証を行う。認証が成功すると、FIDOに準拠したクラウド上の指紋認証システムで照合され、各種サービスを利用できる流れとなっている*)。指紋認証は、以前から指紋認証に活用されているマニューシャ法をベースに同社独自のアルゴリズムを追加したことで精度を高めたという。また、FIDOはスマートフォン側で生体認証を行い、端末とサーバ間ではPKIの鍵のやりとりのみが行われる。サーバに生体情報を持たないため、セキュアなオンライン認証を可能にする。

*)指紋認証の結果は、magatama本体に搭載されている2色のLEDでも知ることができる


FIDOの仕組み (クリックで拡大) 出典:ディー・ディー・エス

 三吉野氏は、「FIDOの普及を目指す『FIDO Alliance』はIntelやARM、Infineonなどの237社(2015年10月27日現在)が加盟している。日本では、NTTドコモがFIDO対応のスマートフォンを発売した。2014年に1億1600万台だったFIDO対応デバイスは、2015年に8億800万台になるといわれている」と、FIDO認証の注目性を強調した。

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