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PC市場の先を目指すHP、分社化は成功するのかHP Inc.のCTOが語る(2/4 ページ)

11月から「Hewlett Packard Enterprise」と「HP Inc.」の2社に分かれたHP。競合であるDellやLenovoの動きに逆行しているとみるアナリストもいるが、分社化については賛同する見方もあるようだ。

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3Dプリンタ市場への参入

 HPが新たに参入を検討している市場の中で、唯一明確に定まっているのが、3Dプリンタ市場だ。同社は2014年に、3Dプリンタを開発する計画について発表を行った。自社のレーザージェット技術を採用することにより、既存モデルと比べて印刷速度を10倍に高める他、最終的には金属材料やセラミック材料などの幅広い印刷材料にも対応できるようにしたいという。

 Wall氏によれば、これらは、同氏が「次世代産業革命」と呼ぶ12兆米ドル規模の産業分野における取り組みの一部にすぎない。同氏は、「移行が進むことによって、3Dプリンタ市場は2020年までに200億米ドル規模に、また、消費者向けプリンタ市場も6億米ドル規模に達する見込みだ」と主張する。

 また同氏は、「当社は、研究開発施設の方向性を大幅に変更することにより、こうした取り組みに注力していく」と述べる。

 HPは2016年に、同社にとって初となる商用3Dプリンタを発表する予定だ。大半の同社製プリンタと同様に、自社開発ASICを搭載するという。その一方で同社は、デスクトップPC「Sprout」を発表していて、3Dワークステーションや設計ツール、アクセサリを提供するなど、3Dプリンタ市場において既に小さな一歩を踏み出している。

HPの「Sprout」
HPの「Sprout」

 だが、今後も、取り組むべき課題は山積みのようだ。例えば3Dプリンタには、既存のプリンタやディスプレイで使われているピクセルに相当する、「3Dボクセル」の表示方法など、新しい標準規格が必要になる見込みだ。

 Wall氏は、「このため、当社は現在、ボクセルとその特性について検討しているところだ。ボクセル当たり4〜6バイトだと膨大な数値になるため、表示方法によっては、伝送や保護の仕方に大きな影響が及ぶことになる」と述べる。

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