印刷エレクトロニクス技術、ようやく実用化の段階へ?:市場の拡大はこれから(1/2 ページ)
プリンテッドエレクトロニクス(印刷エレクトロニクス)の研究開発は古くから行われているが、実際に製品化され、それが普及するというところまでは、まだたどり着いていない。だが、ここにきてようやく、実用化の動きが加速しそうな気配がある。
英国の市場調査会社であるIDTechEXが主催する、プリンテッドエレクトロニクス(印刷エレクトロニクス)関連の年次イベント「Printed Electronics USA 2015」が、2015年11月18〜19日に米国カリフォルニア州サンタクララで開催される。IDTechEXでチーフエグゼクティブを務めるRaghu Das氏は、「プリンテッドエレクトロニクス分野は、そろそろ研究の段階から抜け出して、実用化を考えるべき時期に入っている」と主張する。今まさに、Qualcommをはじめとする一部の企業が、Das氏の主張通りの取り組みを開始したところだ。
求められている製品は、まだ不明瞭
同氏は、「プリンテッドエレクトロニクス分野は、これまでなかなか進展せず、実現までに長い時間を要した。しかし、メーカー各社はようやく、単に既存製品の置き換えではない、全く新しい製品を生み出す必要があると認識するようになった。製品化できるだけの要素はそろっているし、同市場には可能性もある。ただし、どのような製品が求められているのかについては、まだ明確になっていない」と述べている。
QualcommはPrinted Electronics USA 2015において、ゴルフクラブに張り付けて使うラベルを披露する。印刷技術を用いて製造したもので、スイングなどを解析し、その結果をスマートフォンに送信できるという。
薄膜電池メーカーであるBlue Spark Technologiesは、子供の体温を親のモバイル端末に送信できるパッチを披露する予定だ。この他、プリンテッドエレクトロニクスを用いて、赤ちゃんの呼吸と眠りに関する情報を送信するベストを開発したメーカーもある。
Das氏は、「今後、このような新製品が次々と登場するだろう」と述べる。同氏は、20人の技術アナリストから成るチームの責任者を務めている。
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