企業論文の採択率回復、日本は2位に、ISSCC概要:ISSCC 2016プレビュー(1/3 ページ)
2016年1月31日より始まる「ISSCC 2016」の概要が明らかとなった。IoE/IoT社会の実現に向けて、デバイス技術やシステム集積化技術の進化は欠かすことができない。特に、電力効率のさらなる改善と高度なセキュリティ技術は一層重要となる。これら最先端の研究成果が発表される。
半導体集積回路技術の国際会議「ISSCC(IEEE International Solid-State Circuits Conference)」は2015年11月16日、東京都内で会見し、2016年1月31日〜2月4日に米国カリフォルニア州サンフランシスコで開催する「ISSCC 2016」の概要を発表した。事前プログラム(Advance Program)は11月中にISSCCのウェブサイトに公開される予定だ。
ISSCCは、半導体集積化電子回路技術およびシステム集積化技術に関して、最先端の研究成果が発表される国際会議である。今回の開催で63回を迎えるISSCC 2016のテーマは「SILICON SYSTEMS FOR THE INTERNET OF EVERYTHING」である。固体素子回路は、IoE/IoT(Internet of Everything/Internet of Things)を支える基盤技術であり、PCやスマートセンサー、インテリジェントネットワーク、データセンターなど、あらゆる用途においてコア技術となる。ISSCC 2016では、人間の暮らしを豊かにするIoE/IoTのさらなる技術革新に向けて開発された、さまざまな半導体集積回路技術が注目を集めることになろう。
ISSCC 2016は会期中、4件の「基調講演」を始め、「チュートリアル」、「ショートコース」、「アドバンスト回路設計フォーラム」、「一般論文発表」などが予定されている。会見では、ISSCCのFar East Chairを務めるT.H.Lin氏やFar East Vice Chairを務める井上淳樹氏らが、会議の概要や論文のトレンドなどを紹介した。
今回の投稿論文数は595件で前年に比べて微減となり、600件を割り込んだ。このうち採択された論文数は200件(招待講演を除く)で、前回(206件)をわずかに下回った。採択率は33.6%(前回は33.8%)である。地域別の採択論文数を見ると、北米地域からが84件(前回は75件)で全体の42%を占めた。アジア地域からは68件(前回は82件)となった。
井上氏は、「理由はよく分からない」と前置きしながら、「地域別の採択論文数の首位は、2013年から北米とアジア地域が1年おきに交代している」と話す。また、「アジア勢は、ノンボラタイルメモリや高帯域幅DRAM、イメージセンサー、パワーコンバージョンなどの技術領域に強い。今回はデジタルプロセッサや次世代プロセッシングの分野でもアジア勢は健闘している」と話した。
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