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ご主人様とメイドは、通信の設計図を数秒で書く江端さんのDIY奮闘記 EtherCATでホームセキュリティシステムを作る(6)(2/4 ページ)

さて、今回はいよいよステッピングモーターを回す方法をご紹介したいと思います。その上で、マスター(ご主人様)とスレーブ(メイド)が何をどうしているのかを解説しましょう。実は、ご主人様とメイドは、制御系エンジニアが何週間もかけて書くスレーブのメモリマップ設計仕様書を、わずか数秒程度でするすると書き上げてしまうのです。

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超低速モードと通常モードで動かす

 次の2つの動画は、ステッピングモーター(超低速)と、通常回転モードのものを撮影した様子です。

動画が取得できませんでした
ステッピングモーター(超低速)
動画が取得できませんでした
通常回転モード

 回路図はこちらになります。

回路図

 さて、しょっぱなから、写真や動画や、回路図などで戸惑われているかもしれませんが、つまるところ、ここでご紹介しているランプやらステッピングモーターやらは、全てEtherCATスレーブのDO(デジタル出力)、つまり信号電圧だけを使って動かしています。

 ところで ――。

 この連載が始まってから(2015年5月)、モーターを回すまで、なぜこんなに時間がかかったと思いますか? それは、EhterCATを使った実装例が、全くネット上に存在しなかったからなのです。

 そもそも、EtherCATのスレーブのハードウェアの仕様がいまひとつよく分からない。

 マニュアルでは、モーターを駆動するだけの電気を供給できる用にも読めるけど、接続してみるとピクリとも動かない。規格ギリギリまで電圧を上げた時には、スレーブやモーターから白い煙が上がったこともあります。

 ステッピングモーターの勉強も一から始めました。

 まず、ステッピングモーターのキットを購入して組み立てて、実際に「手動」でモーターも動かしてみました(参考動画)。

 その後、このキットを分解し、モーターだけを取り出して、EtherCATのスレーブに直結してみたのですが、やっぱり動きません。

 そこで、「スレーブは単なるON/OFF信号装置だ」と割り切って、別途にリレーやモーターを駆動するドライバ回路の作成を決意しました……が、 ―― これが、超絶に面倒くさい

 老眼がすごい勢いで進行しているわが身にあって、小さな電子部品を、ブレッドボードに載せたり、はんだ付けしたりとか、ちょっとした拷問です(もうすぐ、あなたにも分かるようになる)。

 そんな時、たまたまネットで見つけたのが、「TD62003AP」というICでした。面倒な回路を作る必要なく、直接モーターをドライブできるという、こんなすごいトランジスタアレイICが1個70円。定時で会社を飛び出して、町田のパーツ屋さんでこれを2個購入してきました。

 鼻歌まじりにスキップしながら帰る途中、パーツ屋さんの近くにあった、質屋のディスプレイに陳列されたブランドバックの値札が目に入りました。

 2万円。

 「信号電圧をドライブすることもできない、かばんごときが!」と、憤りを感じたのを覚えています。

 閑話休題。

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