「CES 2016」で注目すべき5大トピック:間もなく開幕(1/2 ページ)
「2016 International CES」が、米国ラスベガスで間もなく開幕する。2015年のCES同様、車載技術の展示は充実しているようだ。その他、IoTではセキュリティ関連、ウェアラブル機器ではサービス関連の展示が注目を集めそうだ。
世界最大規模のコンシューマーエレクトロニクスショーである「2016 International CES(以下、CES)」(2016年1月6〜9日)が、米国ラスベガスで間もなく始まる。今回のCESで注目すべきトピックを5つ紹介しよう。
1:ガジェットのトレンドは、“クールさ”よりも安全性
毎年、最新ガジェットが披露されるCESだが、今回は、見た目やコンセプトの目新しさよりも、安全や安心がメインテーマになるとの見方が広まっている。さらに、消費者の日常生活に役立つ医療サービスも大きなテーマとなりそうだ。
Accentureの調査によると、消費者は、安全性や安心感を高めたり、健康を向上したりする製品/サービスを求めている。一例として、セキュリティを強化したスマートホームや、緊急時に病院への最短ルートを教える機器などが挙げられる。
2:市場の鈍化とイノベーションの欠如
Accentureは「2015 International CES」でスマートフォンやタブレットPC、HDテレビなど幾つかの主要なハイテク製品カテゴリで、購入意思が鈍化傾向にあることを示す調査結果を明らかにした。2016年はこのような傾向がさらに強まることが見込まれる。
Accentureの調査では、多くの民生機器市場セグメントで、購入意欲の鈍化傾向が加速しているという現実が浮き彫りになった。さらに、画期的なイノベーションの欠如が業界の発展を妨げている。スマートウォッチやフィットネスモニター、スマートホーム向けサーモスタット(温度計)といった新興セグメントの成長も減速している。
高い影響力を持つイノベーションがないことを踏まえると、サービスプロバイダーの存在感が、かつてないほど強いCESになる可能性が高いといえるだろう。
3:IoTは引き続き安全性が大きな課題に
2015年のCESは、IoT(モノのインターネット)関連の大々的な宣伝であふれていた。2015年のCESではIoTが最大のトピックであったことは間違いなく、同市場に期待をかける楽観さや興奮が感じられた。
IoTは現実的な見通しに基づいた、利益の見込める市場機会である。センサーと通信ネットワークによって、より多くの人々や機器がつながり、より多くのデータがやりとりされることになる。より個人の趣向に沿うようなデータマイニングも、IoT技術とサービスによって実現できるだろう。IoT市場は、さまざまな機能とサービスをもたらす接続機器で支えられる、数十億規模の一大市場となるだろう。
だが、そうした成長を妨げる可能性のある障壁が存在する。それが安全性(セキュリティ)だ。
消費者は、企業などに提供するデータの安全性について、ますます懸念を抱くようになっている。個人情報の流出がその最たる要因だろう。大手企業の決済システムに不法なアクセスがあったというニュースによって、人々の不安はさらに高まった。IoT機器の浸透に伴い、それらの機器において個人情報がどのように保護されているのか、消費者が疑問に思うのは当然のことだ。この問題はIoT市場の短期および長期的な成長を脅かしている。
IoTにおけるセキュリティは、2015年のCESでは話題にならなかったが、ことしは注目すべきトピックになることが見込まれる。民生機器向けの技術を手掛ける企業がIoTの安全性に関する問題に対処できなければ、業界は予想通りの速さでは成長できないだろう。
CESでは、IoTのセキュリティに関する展示が相次ぐだろう。実際、2015年にはサイバーセキュリティと個人の安全に関する特別フォーラムが初めて開催され、82社の展示企業が参加した。今回のCESでは、安全に配慮した製品やサービスを展示する企業が増える見込みだ。
安全性を高める技術の1つに、パスワードの代わりとなる手段の使用がある。長いアクセスコードは不要になるかもしれない。生体認証技術を含め、高度な暗号化プロセスを採用した機器やサービスの展示に注目してほしい。
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