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サイプレス、車載用40nmマイコンを製品化第1弾はクラスタとボディーコントロール向け(1/2 ページ)

Cypress Semiconductor(サイプレス セミコンダクタ)は、車載向け半導体事業戦略について、記者発表会を東京都内で開催した。この中で、同社の車載用MCUファミリー「Traveo」としては初めてとなる40nmプロセス製品を発表した。

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 Cypress Semiconductor(サイプレス セミコンダクタ)は2016年1月12日、車載向け半導体事業戦略について、記者発表会を東京都内で開催した。この中で、同社の車載用MCUファミリー「Traveo」としては初めてとなる40nmプロセス製品を発表した。

 Traveoファミリーは、ARM Cortex-R5プロセッサコアを搭載した車載用MCUである。これまでに、モーターコントロールやボディーコントロールシステム、クラスタシステムなどの用途に対して、90nm/55nmプロセスで製造したMCU製品を供給してきた。

 今回発表したMCU製品は40nmプロセス技術を用いて製造する。これにより内蔵するフラッシュメモリ容量を最大4Mバイトまで拡大することが可能になったという。特に、UMCと共同開発した40nm eCT(embedded charge trap)フラッシュ技術は、保証動作温度範囲が車載グレードに対応しているだけでなく、ゼロウェイトで8nsのランダムアクセスを実現することができる。このことは、CPUコアの動作周波数が100MHzであれば、待ち時間ゼロで、メモリ内部のデータを読み出すことができるという。さらに、修正プログラムなどのアップデートを容易にするFOTA(Firmware Over-The-Air)機能も採用した。


Traveoファミリーの外観

 新製品は用途によって大きく2つのシリーズに分けられる。比較的小型のTFTディスプレイを搭載するクラスタシステム向けの「S6J3310/S6J3320/S6J3330/S6J3340シリーズ」と、車載ネットワークゲートウェイに適した「S6J3350シリーズ」である。

 S6J3310/S6J3320/S6J3330/S6J3340シリーズは、動作周波数が最大240MHzのARM Cortex-R5プロセッサコアをベースとしている。CAN-FD(Controller Area Network-Flexible Data)は6チャネル分を内蔵した。また、高いセキュリティを実現するeSHE(enhanced secure hardware extension)や「HyperFlash」や「HyperRAM」とのシームレスな接続を可能とするHyperBusインタフェースなども搭載している。


クラスタシステム向けS6J3310シリーズの応用イメージ (クリックで拡大) 出典:サイプレス セミコンダクタ

 この他、高音質のサウンドを出力することができる16ビットオーディオD-Aコンバータやマルチチャネルミキサ、及びI2Sインタフェースを搭載した。さらにはマルチメディアアプリケーションの帯域幅拡大やプログラミング時間を短縮することができるEthernet AVBのサポート、といった特長を備えている。

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