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IoE向けの超低消費電力無線チップ福田昭のデバイス通信 ISSCC 2016プレビュー(9)(2/2 ページ)

今回はセッション24〜26を紹介する。「ワイヤレス通信」がテーマとなっているセッション24では、IoE(Internet of Everything)向けの低消費電力無線チップの発表が相次ぐ。ソニーとソニーLSIデザインが開発した、消費電力が1.5mW〜2.3mWと低いGNSS(全地球航法衛星システム)受信器などが発表される。

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消費電力が1.5mW〜2.3mWと低いGNSS受信器

 セッション26のメインテーマは「ワイヤレス通信」、サブテーマは「IoE向けワイヤレス」である。IoE(Internet of Everything)の実現に向けた低消費電力の無線技術と無線システムが続出する。

 University of Twenteは、干渉波による妨害に強くて消費電力が135μW〜175μWと極めて低い無線受信器を発表する(講演番号26.2)。本信号に比べて50dBも大きな干渉信号が帯域内に存在しても、10kビット/秒のデータ受信速度を達成し、135μW〜175μWの消費電力を維持した。講演では干渉信号の抑制手法を述べる予定である。

 Analog Devicesは、ETSI(欧州電気通信標準)クラス1準拠のIoE向け無線トランシーバーを報告する(講演番号26.4)。無線帯域は160MHz〜960MHzと広い。ブロッカー除去比率は100dB、隣接チャンネル除去比率(ACR)は70dBである。待機時の消費電流は800pA(0.8nA)と低い。

 ソニーとソニーLSIデザインの共同開発チームは、消費電力が1.5mW〜2.3mWと低いGNSS(全地球航法衛星システム)受信器を開発した(講演番号26.5)。電源電圧は0.7V、雑音指数(NF)は2.5dB〜3.5dBである。製造技術は28nmのFD-SOIプロセス。

 東芝は、消費電力が5.5mWと低いBluetooth Low Energy(BLE)受信器を発表する(講演番号26.1)。オールデジタルPLL(ADPLL)技術とハイブリッド・ループ型干渉抑制技術を駆使した。製造技術は65nmのCMOSである。

(次回に続く)

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