ディスプレイ以外にも応用範囲が広がるDLP:2016年中にDLP搭載車が市場に(1/2 ページ)
Texas Instruments(テキサス・インスツルメンツ)は2016年1月、東京都内で、DLP製品に関する事業戦略説明会を開催した。
Texas Instruments(以下、TI)は、投影型表示デバイスシステムである「DLP(Digital Light Processing)製品」の産業機器/車載機器用途での事業を拡大させていく。2016年1月29日に東京都内で、同社DLP事業部シニアバイスプレジデント兼ジェネラルマネージャーのKent Novak氏が会見し、明らかにした。車載機器向けでは、2016年から市販車への搭載が始まり「採用が急拡大していくだろう」(Novak氏)との見通しを示した。
DLP製品は、MEMS技術を用いてチップ上に数百万個のデジタルマイクロミラーを形成したDMD(Digital Micromirror Device)を核とするチップセット。同ミラーを高速制御し、外部から照射した光を同ミラーで反射させて映像などが作り出せる。既に、1チップに800万個のデジタルマイクロミラーを形成し、4K映像を生み出すことのできる製品も出荷済みで、高精細映像の表示を得意にする。
累計出荷4000万個突破
DLP製品の出荷実績は、量産出荷が始まった1996年以降の累計で4000万個を突破。特に映画館向けでは「(現在の上映方式の主流である)デジタルシネマであれば、10カ所中9カ所の割合で、DLP製品が用いられている」(Novak氏)と、際だったシェアを誇る。また会議室向けなどエンタープライズ用プロジェクターやホームシアター用プロジェクターでも5割程度のシェアを持つ。さらには、ピコプロジェクター向け製品も展開し、タブレット端末やスマートフォン、ディスプレイレステレビなどでも「順調に採用数が拡大している」という。
デジタルシネマからピコプロジェクターまで、映像表示ディスプレイ用途での採用を拡大してきたDLP製品だが、近年は、その特長を生かし、応用範囲を拡大させている。
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