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赤字7100億円、事業売却急ぐ東芝白物家電は海外企業へ(1/2 ページ)

東芝は2016年2月4日、通期業績見通しを下方修正し、最終損益が7100億円となると明らかにした。これに伴い2016年3月末には、自己資本比率が2.6%まで低下する見通しであり、既に公表している医療機器子会社の売却などを進め、資本増強を急ぐ。

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東芝メディカル売却には複数の応札

 東芝はこれまで2016年3月期通期業績予想として、売上高6兆2000億円、営業損失3400億円、最終損失5500億円としていた。しかし、「2016年3月期中に、悪い膿(うみ)を全て出し、2017年3月期からV字回復を果たす」(社長 室町正志氏)との方針の下、不採算事業でのコスト見直しや、棚卸し資産の廃却/評価減を行った結果、売上高予想は据え置きつつも、損益予想を下方修正した。修正後の通期損益予想は、営業損失4300億円、最終損失7100億円となった。

左=東芝の2016年3月期(2015年度)通期業績予想 / 右=セグメント別業績予想 (クリックで拡大) 出典:東芝

 7000億円を超える大幅な赤字を計上する公算となり、既に苦しい状況となっている財務体質も大きく悪化する見通しとなった。特に自己資本比率は“危険水域”といわれる10%を、2016年第3四半期末時点で下回り、2016年3月期末には2.6%まで落ち込むことになる。

左=通期営業損益予想修正の内訳 / 右=財務体質の見通し (クリックで拡大) 出典:東芝

 早急な資本増強が必要な状況となる中で、今期、東芝唯一の黒字事業となるヘルスケア事業の中核を担う子会社東芝メディカルシステムズ(TMSC)を売却し、資金を調達する。売却に向けた進捗(しんちょく)について室町氏は「1次入札から2次入札へ移行するところ。2次入札では非常に(社数を)絞った形でお願いしている」とし、複数の応札を得て、順調に進んでいることを示唆した。また売却額については、「現状報道されている額(4000億〜5000億円)より高くなる」とも語った。

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