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システム設計の要諦は電力管理:福田昭のデバイス通信 ARMが語る、最先端メモリに対する期待(1)(1/2 ページ)
今回から、2015年12月に開催された「IEDM2015」でARM Researchが講演した、メモリ技術の解説をお届けしよう。まずは、システム設計が抱える課題から紹介していきたい。
CPU設計企業がメモリ技術に積極的にコミット
半導体のデバイス技術とプロセス技術に関する国際会議「IEDM」では、カンファレンスの前日に「ショートコース(Short Course)」と呼ぶ1日間のセミナーを開催している。2015年12月のIEDM2015では、「未来のシステムに向けたメモリ技術(MemoryTechnologies for Future Systems)」と題したショートコースが開催され、1日間で5つの講義が実施された。
5つの講義の中で最も興味深かったのは、英国ARM ResearchのエンジニアRob Aitken氏による、メモリ技術に関する解説である。講演タイトルは「System Requirements for Memories(メモリに関連するシステム要項)」。
講演で対象としたメモリの範囲は幅広い。CPUのオンチップキャッシュからシステム・メモリ、ストレージ・クラスのメモリまでを扱っていた。講演のアウトラインに従うと、始めに背景の事情とシステムの課題を述べ、続いてCPUのメモリに対する要求を説明する。それからシステムメモリの代表であるDRAMの現状を解説し、SoC(System on a Chip)の埋め込みメモリであるSRAMの課題を説明する。さらに不揮発性メモリとストレージ・クラス・メモリにふれ、最後に結論を述べる。
講演タイトルのスライド。講演者のRob Aitken氏は、ARM Research社のエンジニア。低消費電力設計、最先端プロセスのライブラリ構築、技術ロードマップ作成、次世代メモリ開発などの業務に関わっている。ARMのFellowでもある(以上の情報は、IEDMショートコースの講演者紹介テキストに基づく) (クリックで拡大) 出典:ARM
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