IoTに照準――好調ADIが掲げる成長戦略:2015年度は売上高20%成長(1/3 ページ)
Analog Devices(アナログ・デバイセズ/ADI)の日本法人は2016年2月17日、2016年度(2016年10月期)事業戦略に関する説明会を実施し、高精度アナログIC/センサーといった製品群を生かしたIoT(モノのインターネット)向けソリューションの開発に注力し、成長を図っていく考えを示した。
創立50周年の節目に飛躍
Analog Devicesは、2015年に創立50周年を迎えた。その節目の2015年度(2015年10月期)は、売上高34億米ドルと前年度比20%増を達成。「業界平均をかなり上回る」(日本法人社長兼会長の馬渡修氏)という大きな飛躍を遂げた1年になった。
好調の要因の1つが、Hittite Microwave(以下、Hittite)の買収効果だ。2015年度は、Hittiteのビジネスがの全期にわたり業績に貢献する最初の年であったと同時に、これまで手薄だったミリ波帯などに対応する高周波デバイス製品群が一気に拡充され、相乗効果も発揮した。
ただ「20%成長のうち、Hittite買収効果によるものは半分程度」(馬渡氏)といい既存のビジネスも、自動車/産業機器向けを中心に成長を遂げたという。
日本国内でも2年連続の成長
日本法人の2015年度売上高(デザインベース)は、3億1900万米ドルと前年比4%増となった。「全社業績ほどの成長には及ばなかったが、円ベースではおおよそ8%相当の成長であり、国内市場を基準にみれば、平均を大きく上回ることができた」と振り返る。日本法人の売り上げ伸長は、2年連続で、前年度から引き続いて、自動車/産業機器向けビジネスが堅調に推移したことを成長要因に挙げた。
今期、2016年度については、「(減速している)足元の経済環境から、二桁成長を目指すということは考えていない。しかし、常に各地域で、GDP成長率を2倍上回る成長を遂げることを全社共通の目標に据えている。2016年度もGDP成長率の2倍以上の成長を果たしたい」とする。
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