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IoT機器を“ゆりかごから墓場まで”保護するルネサス「Synergy」のセキュリティ機能(3/3 ページ)

ルネサス エレクトロニクスはドイツで開催中の「embedded world 2016」で、IoT(モノのインターネット)向けの設計基盤である「Renesas Synergyプラットフォーム」について、「Device Lifecycle Management」と呼ばれるセキュリティ戦略や、IAR Systemsとの協業などを発表した。

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Synergy専用の「IAR Embedded Workbench」が登場

 もう1つ、Synergyがより使いやすくなるであろう強力なツールが加わる。IAR Systemsが提供するARMコア用の統合開発環境「IAR Embedded Workbench for ARM(EWARM)」のSynergy専用版である「EWARM-RS」だ。“RS”は、Renesas Synergyの意味である。

 Synergyでは、開発環境として「e2 studio」を提供しているが、ユーザー数は、まだ少ないという。一方、ARMマイコンの開発環境として高いシェアを持っているのがEWARMだ。

 e2 studioは、コンパイラではGNUを、デバッガではSEGGERの「J-Link」を基本的にサポートしているが、IAR Systemsのコンパイラを使用することもできる。ただし、それは同社のライセンスを保有しているユーザーのみに限られている。

IAR SystemsのCEOを務めるStefan Skarin氏
IAR SystemsのCEOを務めるStefan Skarin氏

 今回、EWARM-RSがSynergyの開発環境として提供されることで、ユーザーは、追加のライセンス料を支払うことなく、IAR Systemsのコンパイラ/デバッガを使えることになる。ルネサスによれば、SynergyではせっかくARMマイコンを使うのだから、慣れ親しんでいるツールであるEWARMを使いたいというニーズがあったという。

 EWARM-RSは、2015年6月に既にβバージョンがリリースされていて、「Gallery」からダウンロードできるようになっている。2016年6月に、公式なバージョンが発表される予定である。

 なお、EWARM-RSをSynergyに統合するに当たり、ルネサスはIAR Systemsにローヤリティを支払うという。IAR SystemsのCEO(最高経営責任者)を務めるStefan Skarin氏は記者説明会で、Synergyに統合する利点として「新しいユーザー層にEWARMを使ってもらえること」を挙げた。

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